後期は「レベル1」検討 文系でも対面授業再開

 8月11日、神戸大は10月から始める後期の授業で、現在対面授業が認められている一部の演習、実習、実験などに加えて一部の「講義」でも対面授業を可能にすることを検討していると発表した。文系学部でも一部対面授業再開への可能性が見えた。文学部、国際人間科学部などではすでに対面授業の検討が始まっている。<塚本光、大垣萌>

 8月11日午後、神戸大は公式ホームページで、新型コロナウイルス感染対策の活動制限指針について、現行の「レベル2」を10月から「レベル1」に引き下げを検討していると発表した。最終的な判断は9月上旬。検討されている「レベル1」では現在対面授業が認められている一部の演習、実験などに加えて一部の「講義」でも対面授業が可能になる。

 「新型コロナウイルス感染拡大防止のための神戸大学の活動制限指針」は、コロナ対策による学生・教職員の活動制限内容を定める指標。制限が一切ないレベル0の「通常」から、遠隔授業も含め全ての活動を停止するレベル5の「原則停止」まで6段階に区分され、研究活動、授業、課外活動などジャンルごとに制限の内容を細かく決めている。4月28日に初めて制定された時は一律レベル4「制限ー大」でスタートし、緊急事態宣言の解除に合わせて6月1日にレベル3「制限ー中」に引き下げ。6月26日からの第2クォーターではレベル2「制限ー小」に引き下げられ、一部の実験や演習で対面授業の実施が可能になっていた。

 後期の授業が始まる10月1日からは、現行レベル2の制限指針の項目のうち、「授業(講義・演習・実習)」と「学生の入構」をレベル1「一部制限」に引き下げが検討されている。具体的な違いは「授業」の項目。感染防止対策を十分に取れば対面実施できる授業の種類に「講義」が加わった。これまでは「演習、実験又は実習」とされていたところ、対象が拡大した。


(画像:「レベル2」が適用されている現行の活動制限指針。)

【各学部の対応】

 新方針を受けて、文系学部でも対面授業再開への検討が始まっている。

「文学部でも、一部授業の対面実施に向けた検討を鋭意進めているところです。どうかこの点は希望を持っていただければと思います」。
 文学部では8月12日、全国的なコロナ感染の広がりを受けて8月下旬に予定していた1年生登校日の中止が決まった。1年生全員が受講する情報科目のSlackグループで教務委員の教員から流された連絡では、「一点朗報があります」として、このように制限指針の引き下げに触れた。ニュースネットの取材に対し、文学部教務学生係は、後期の授業の形態は今後検討を進め、9月上旬に決定すると答えた。前期では、演習扱いとなるゼミなどの授業で一部対面授業を実施。学内にしかない固有の資料を使う授業、対面での指導が必要な授業などで、学部・大学院ともに実施してきた。

 国際人間科学部教務学生係によると、具体的にどの授業を対面実施するかは調整中だが、後期は講義でも対面授業を再開する可能性があるとしている。ゼミは演習扱いで、前期でも卒業研究などで対面授業を実施してきた。文理混合の国際人間科学部では、理系寄りの学科を中心に実験、演習などで対面授業を行ってきたが、それ以外の授業も対面形式になる可能性がある。

 経済学部では、後期の授業形態は検討中だが、近いうちに学部ホームページに対面の授業を実施するかどうか掲載するとしている。経営学部、法学部はともに検討中で、9月上旬に発表するとしている。

 工学部教務学生係によると、前期の授業では、実験、実習で対面授業を実施してきた。一部の学科では1年生も登校して授業があった。後期の方針は専攻ごとに判断し、学生に対して個別に連絡するという。

 理学部教務学生係によると、昨日発表されたばかりなので後期の授業形態は検討中という。全学の方針に従って対応するとしている。農学部教務学生係によると、前期から実験や実習だけでなく、一部の講義も対面で再開していた。後期の方針は、現在の新型コロナウイルスの感染状況や大学全体としての方針、前期で対面授業を実施した流れを踏まえ検討中だという。

【引き下げが検討される活動制限指針】
 7月21日更新の最新版「活動制限指針」では、引き下げが検討される2項目は以下の内容。(下線は編集部注)

▽授業(講義・演習・実習)
レベル2「制限ー小」(現行):
「原則として遠隔授業のみ。ただし、演習、実験又は実習の一部については、部局の判断に基づき、十分な感染防止措置を講じた上で、対面により実施することは可」
レベル1「一部制限」:
「遠隔授業を中心に開講。ただし、講義、演習、実験又は実習の一部については、部局の判断に基づき、十分な感染防止措置を講じた上で、対面により実施することは可」

▽学生の入構
レベル2「制限ー小」(現行):
「原則として、学部学生の入構を禁止(実験・実習・演習の一部を受講する場合及びアクセスポイントを使用する場合の入構は可とする)。大学院生の不要不急の入構を禁止」
レベル1「一部制限」:
「感染拡大防止に配慮し、一部の授業の受講、研究活動、許可された一部の課外活動以外の入構を制限」

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