新型コロナウイルスによって、神戸大生協は7月時点での損失額は1億3000万円を超える見込みで、オンライン授業の実施と入構規制措置による一部店舗の営業中止など、その影響は広がり続けている。神戸大生協はどのような対策をとっているのか。そして、組合の一員として私たち学生にできることはないのだろうか。(追記:神戸大生協では「組合員の声」フォームで学生・院生、教職員からの意見や提案を求めている。)<吉田真奈香>
(写真:神戸大生協の本部 資料写真)
学生不在のキャンパスで店舗は営業休止 膨らむ損失
春先から続く大学関係のイベント中止や、学生の入構規制による一部店舗の営業休止、学食定期の中止と返金など、神戸大生協を取り巻く環境は厳しさを増している。
生協関係者によると、7月時点での損失額は1億3000万円を超える見込みで、さらに8月には約1億5~6千万円まで広がる可能性があるという。理事会では、来年から再来年にかけてコロナ前の売り上げの6割から8割ほどまでに持ち直したとしても、債務超過に陥ってしまうのではないかという厳しい見方すら出たという。
弁当配達など打つ手は限られる
新型コロナで閑散としているキャンパスでは、打つ手は限られているようだ。
神戸大生協組合員サポートデスク担当の山?桂さんによると、キャンパス内で業務にあたっている教職員や一部の学生たちのために、注文があった場合に弁当を配達するサービスを行っている。注文は特設ページから行われ、キャンパス内の複数箇所の拠点から配達先を選ぶことが出来るという仕組みだ。
また、文房具やパソコンといった備品が必要な際に、大学生協で購入してもらえるようにお願いする手紙を、キャンパス内の教員に渡している。
しかしこれ以外に大きな動きはなく、「休業中の店舗についても、いつでも再び出勤ができるようにパートさん方には100%の休業手当を出している。今は算段を整えながら、新しい神戸大生協の形を探っているところ」と山?さん。
そんななかでも、未だにキャンパスに立ち入ることが出来ず、日々困惑しているだろう一年生が心配だと山?さんはいう。
学生と生協 支え合う道を模索
神戸大生協を支えるために組合員である私たち学生にできることはないのだろうか。
「本来であればできる範囲で生協の店舗を利用してほしいところだが、現在はその『できる範囲での利用』すら難しい状況」と見る山?さん。
「生協というのはお金を出して互いに支え合うことで互いに良いことがあるという発想のもと成り立つ組織であって、その根の部分はコロナ禍の現在も変わっていない。どうやったら組合員の役に立てるか、学生たちに寄り添えるのか、大学生協としてその新しい形を探したい」という。
生協学生会館店では、昨年度まで設置していた「アルバイト募集掲示板」のweb版を作成して、7月末にリリースした。公式Twitterで行ったアンケートで、アルバイトを探している学生が少なからずいるという情報をキャッチしたからだ。
「学生の皆さんには、現在の状況や困っていること、こういうことをして欲しいといった意見などを気軽に教えてもらいたい」と、山?さんは呼びかける。
8月になっても新型コロナウイルスの感染が収束する気配はなく、神戸大生協は6月から一部店舗で営業を再開したものの、全店での営業再開のめどは立っていない。
このような苦しい状況だからこそ、これまで60年余にわたって学生を支えてきた神戸大生協の実情を知り、学生側からも何らかの形で生協を支えることはできないか。
アイデアを出し合う場が広がることを期待したい。
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なお、8月下旬から神戸大生協では「組合員の声」フォーム(https://www.kucoop.jp/wfm/kumiaiin/)で、学生・院生、教職員からの意見や提案を求めている。
▽神戸大生協組合員サポートデスク
電話 078-871-3691。
HP https://www.kucoop.jp/support/index.html
【神戸大学生活協同組合】
消費生活協同組合法に基づいて1957年に発足した。学生や教職員ら組合員の出資金をもとに、大学から無償で施設を借り受け、書籍販売や文具などの購買、食堂などの事業を行ってきた。
了
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