やっと開催、硬式野球神京戦 神戸大が10?1で6連勝

 8月28日、夏空が戻った大阪・舞洲の大阪シティ信用金庫スタジアムで行われた第46回硬式野球神京戦で、神戸大は京大に10対1で大勝し6連勝を果たした。通算成績は神戸大の27勝18敗1分。今年はいつもと違う一戦だった。<塚本光>


(写真:開会式はソーシャルディスタンスで。2020年8月28日正午過ぎ、大阪市此花区北港緑地2で)

 朝はどんよりした曇り空だったが、試合開始の昼すぎには夏空が戻ってきた。
 今回の応援スタンドは例年とは違う光景があった。神戸大は硬式野球部OBと部員家族、応援団のみの入場。間隔をあけて陣取った応援団は吹奏楽の録音再生に合わせてエールを送った。一方、京大側の内野スタンドは無観客だった。
 1971年(昭和46年)に第1回大会が開かれてから来年で半世紀となる伝統の一戦。今年は新型コロナウイルスの感染拡大で、開催が8月下旬にずれ込んだ。京大は7月下旬に他の課外活動団体でクラスターが発生、いったん門戸が開かれていたクラブ活動が再び全面禁止になり、硬式野球部は2日前に活動を再開したばかり。神戸大も7月下旬からようやく活動を始め、オープン戦を重ねてきてたどり着いた神京戦だ。


(写真:スタンドの応援もソーシャルディスタンス。)

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 神戸大は、1回裏の攻撃で5番岩岡のタイムリーで1点先取。同点に追いつかれた後、2回裏には1番市川のタイムリーで勝ち越し、さらに京大のバッテリーエラーで1点追加した。
 4回裏、無死1、2塁で主将3番石井の左前打と1番市川の好走塁で、なお1点追加するなど、神戸大は5回を除き毎回得点の快進撃。
 6点リードで迎えた7回裏には、福井の適時3塁打や石井の適時2塁打を重ね一挙3点を追加。
 6回まで1点に抑えた大村の好投と、大倉、増見の継投で神戸大は京大打線を抑え、10?1で京大に大勝し、6連勝をあげた。


(写真:2回裏、小嶋が追加点。)


(写真:6回まで1点に抑える好投を見せた大村。)

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 スタンドは、ソーシャルディスタンスをとっての応援風景が見られた。
 伊藤太造選手(海事3年)の母親は、「ないかもしれないと思っていた。見ることができてよかった」と夫婦で日傘をさしながらグラウンドを見つめていた。大倉元輝投手(農4年)の母親は、「最後の年なので応援しようと思って来た。息子は就活も早めに終わらせたり、秋のリーグにかけているので頑張ってほしい」と炎天下で声援を送っていた。
 硬式野球部の1年生部員・小川晃良さん(工)は、「試合ではスタンドで応援したり、ボールボーイをしたりしている。プレーしている先輩はとてもかっこいい。早く馴染めるように頑張りたい」と日焼けした顔で答えてくれた。


(写真:真夏の太陽が照りつけたスタンド。整然と間隔をあけて応援。)

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(写真:トロフィーを手にインタビューに答える石井佑典主将。)

▽石井佑典主将(済4年)の優勝インタビュー
 神京戦は、春秋のリーグ戦と同じくらいの大切なものと位置付けている。まずは勝ててよかった。自分たちのやりたい野球を貫けてよかった。
 コロナ禍でイレギュラーな状態が続く中、開催にむけて尽力してくれた主務には感謝している。コロナでの課外活動禁止で7月から練習を再開した。全体での練習はそれまでできなかったが、期間中に個々の力をつける時間が取れた。野球はチーム力だけでなく個々の力もまた大事。オンラインで戦術を練りながら個人でできるトレーニングに取り組んだ。なりたい自分を考え、結果に向けて努力できたと思う。今年は1年生が選手18人とマネージャー4人の合計22人入部した。たくさん入ってくれた。2年生が、オンラインでできる説明会や、SNSでの野球部の良さの発信を頑張ってくれたおかげだ。
 今年も神京戦が開催できて本当に良かった。自分は4年生で今秋が最後。ここで自分たちの目指す野球をやれて良かった。


(写真:無事開催できてほっとした表情の宮脇健也応援団長)

▽宮脇健也応援団長(営4年)の話
 まずは無事開催できて、そして神戸大が勝てて良かった。コロナ禍の中で、困難な状況にも関わらず直前まで調整を重ねて、神京戦開催にこぎつけた両校の野球部にとても感謝している。応援団がスポーツ応援に来たのは1月のスキー以来。野球では昨年の秋季リーグ戦以来だ。三商戦も今年は中止が決まって、スポーツ応援の機会がどれくらいあるかわからないが、できるだけ応援していきたい。
 課外活動制限のため、京大の応援団が来れなかったのが残念。来年は両校揃っての意地をぶつけ合う応援合戦をしたい。

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▽硬式野球部OB会会長の渡辺文明さん(1976年営卒)の話「(今回のような事態は)おそらく神京戦の歴史の中で初めて。めったにない事態。当たり前のことが当たり前でなくなっている日常の中で、こうして定期戦をやれるのはOBにとっても現役にとっても非常に嬉しい。(私が)1年生の時に第2回神京戦があったが、その頃からずっと、神戸大と京大はお互いにいいライバルだと思う。」

▽応援団OBの山内正嗣さん(1990年営卒)の話「現役時代は、六甲台で行われるときは学生がいっぱい詰めかけ、京都で行われるときは神戸から応援の学生を乗せたバスが出るほど、学生と一体のイベントだった。今年は開催できないかも、という話もあった状況で、開催できてよかった。平日開催で来れないOBが多かったことは残念だった。」

【第46回神京戦 試合結果】
京都大 010 000 000=1
神戸大 121 102 30×=10
 (此花区・大阪シティ信用金庫スタジアム)

※通算 神戸大の27勝18敗1分


(写真:応援団は、熱中症対策で上着を脱ぎ、コロナ対策のマウスシールドで応援した。)

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