生協サービスセンターが窓口再開 「どんどん来て欲しい」

 鶴甲第1キャンパスの食堂脇に、神戸大生協サービスセンターがある。前期と夏休みは営業中止を余儀なくされたが、後期は9月23日から本来の窓口での業務を再開した。自動車教習所の紹介、下宿アパートの紹介、旅行の手続き、それに卒業式の袴レンタルなど、学生生活を幅広くサポートする窓口として学生の来店を待っている。<吉田真奈香>

 大学生協は、食堂と購買、書籍販売のイメージが強いが、そのほかのさまざまなサービスを受け持っているのが「サービスセンター」。
 神戸大生協は、鶴甲第1キャンパスの食堂に通じる通路脇に店を構えている。
サービスは、免許を取るための自動車教習所の紹介、下宿アパートのあっせん、旅行の手続きなど守備範囲は広い。

▼守備範囲広いサービスセンター

サービスセンターには『みどりの窓口』と同じ機械があるので、帰省のチケットや高速バスや青春18きっぷなどが発券できるという。さらに飛行機のチケットや、スキーなどの国内のパッケージツアー、国外のツアーも取り扱っている。
サービスセンター担当の神戸大生協の八田優子さんは、「今は利用者がほぼ0の状態だが、ギャップタームや春、夏休みなどを利用しての短期留学の相談も受けている。生協サービスセンターでは、留学中のトラブルにもしっかりと対応してくれるエージェントを紹介しているため、安心ですよ」と教えてくれた。
他にも、卒業式の袴(はかま)や学祭のための物品レンタルも行っている。
サービスセンターのスタッフは全員すべての業務対応ができるため、同一の窓口でサービスを受けられる点もポイントだ。

▼休業期間も新入生の下宿解約などの相談 電話やメールで対応

新型コロナ感染防止として、サービスセンターは今年の4月上旬から窓口を閉めていた。その間の4、5月には、「部屋の解約相談や家賃の交渉といった新入生の住まい関係の相談が多かった」と明かす。
解約の相談をした人たちは、滋賀、京都や姫路といった神戸大に通えなくはない距離に実家がある場合がほとんどだった。今後いつからキャンパスに通うことになるか分からないなら、下宿を解約して実家に戻ると、いう人が実際に10人ほどあった。
家賃の交渉相談については、「飲食店などの店舗には家賃に対して政府から給付金があるが、個人の住居の場合にはその補助金が出ないため、家賃の値引きをしてもらえないか」という相談があった。神戸大生協は学生を守らなくてはいけない立場もあるが、家主との関係もあり悩ましかったという。


(画像:神戸大生協サービスセンターのちらし。2020年10月3日撮影)

一方で2、3年前から部屋を借りている上回生からは、騒音についての相談が多かった、と八田さん。
オンライン授業のために昼間も家にいる学生が増え、「音楽がうるさい」など、以前なら気にしなかったような近隣の生活音がトラブルのもとになることが増えたとみている。
サービスセンターの担当者は宅地建物取引士の資格も持っていて、不動産会社としての役割もある。そのため、「ただ部屋を紹介して決めてもらうまでだけが仕事じゃない」と八田さんは考えている。

そのほかの問い合わせとしては、自動車教習所関連が多かったという。コロナ禍でバイトがなかったり、友達と出歩く、または旅行に行くことができなかったりすることから、この期間に免許を取得しようと考える人が増えたようだ。

▼新入生も店舗に来て欲しい

4月上旬から電話とメールのみの対応を余儀なくされてきたサービスセンターだが、9月23日(水)から対面での営業を再開した。
八田さんは、「特に1年生には、このサービスセンターの存在と役割を知ってもらいたい」という。「たとえ今はコロナで旅行に行く気分になれないとしてもパンフレットを眺めにくるだとか、冷やかし程度の気持ちでもいいから遊びにきてほしい」と呼びかけている。

▼ヒット企画「つながる旅」 孤独な学生との出会いがきっかけ

友達を新たに作る機会もないまま前期を過ごした1年生のために企画された、淡路日帰り旅行企画「つながる旅」は、サービスセンターのヒット企画だ。
学生からだけでなく、保護者からの問い合わせも多かった。「1人でも大丈夫?」、「予約受付の開始時間は何時からか」といった内容の電話が相次いだ。実際に「つながる旅」第1弾の定員は1日で埋まり、現在第2弾を企画予定だ。

八田さんは、「大学生協でできることは何か、ということをいつも考えていた」という。
例年4月に行う、新下宿生を対象にしたオリエンテーションが、今年はコロナのために開催中止に。「この企画が出来なかったことがずっと心に引っかかっていた」と八田さん。
実はこのオリエンテーションは、数年前に一人暮らしのせいで落ち込んでしまった学生と会ったことから始まった。「未だに、その子のことが心に残っていて、同じように孤独を感じている人たちの心を救えたらなという思いがある」と八田さんは心の内を語る。

2年生以上の学生は友達に課題を聞いたり友人の家に行ったりできるが、交友関係が十分に築けていない1年生にはそれができない。
八田さんは、「利益うんぬん抜きで、ストレスを抱えた1年生を少しでも救ってあげられる企画ができたら」と思ったそう。「今回の『つながる旅』に参加することで、1年生が友達を作ったり心のリフレッシュになったりする機会になってくれれば嬉しい」という。


(画像:つながる旅のちらしのスクリーンショット)

この「つながる旅」は、上学年の学生が複数人同行する点も特徴だ。文系・理系の先輩に同行してもらう予定だという。
神戸大生協では、新入生対象の「住まい探し会」の相談役などで、毎年50人くらいの神大生がバイトをしている。中には6年ほど働いてくれている先輩も。
「彼ら彼女らは、下宿オリエンテーションや部活決めなどで新入生と関わり慣れているので、バスツアー企画になじめるかどうか、不安な1年生を上手にサポートしてくれることと思う」と八田さんは期待している。


(画像:パンフレットを手に笑顔を見せる八田さん。神戸大生協提供)

 神戸大生協 サービスセンター担当 八田優子さんの話
「サービスセンターは、他の食堂や売店のように目に見えるものを売っているのではなく、見えないものを売っているため、気持ち的に満足してもらえるようなサービスを心がけています。長い間働いていて、こんなにキャンパスに学生がいないことは初めてです。自分を見つめ直すようないい機会にはなりましたが、やっぱり学生と関わる機会がないのは寂しい。大学生協のサポートが充実していてよかったと思ってもらえるようなサービスを目指して頑張るので、どんどんサービスセンターに来て欲しいです」

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新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、前期いっぱい学生はほとんど大学構内に来ることができなかった。そのため、神戸大生協は売店や食堂、サービスセンターなどの対面での営業中止を余儀なくされた。神戸大生協の2020年度の損益数値は、7月時点で少なくとも約1億3千万円に上っている。しかし、そんな中でも、神戸大生協は「組合員を『支え』『応えられる』生協に」を活動方針に掲げ、学生や教職員などの組合員を支える工夫を行ってきた。
サービスセンターは9月23日(水)から対面での営業を再開している。

▽神戸大生協 第3Q営業予定 お知らせページ
https://www.kucoop.jp/news_2/news_detail_2021.html 。

▽1年生向けバスツアー企画「つながる旅」関連記事
https://blog.goo.ne.jp/kobe_u_media/e/fc8583c0c9c18954ce5e17dcdf6b50cc 。
https://blog.goo.ne.jp/kobe_u_media/e/f8ba419055bb1234adb31fb1e172e9ff 。

【訂正】「▼守備範囲広いサービスセンター」のところで「学祭のための衣装レンタル」とあったのは、「学祭のための物品レンタル」の誤りでした。訂正します。また、八田優子さんの話について、「大学生協が活発だからこの大学に行ってよかったと言われるようなサービス」という一文が伝わりにくい表現だったため、「大学生協のサポートが充実していてよかったと思ってもらえるようなサービス」という表現に修正しました。(2020年10月6日17:19 編集部)

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