後期授業が始まって1週間がすぎた。「対面授業の比率が高い」と注目された文学部。その陰では、教員らが学習環境と安全確保の検討を重ね、2年次からの専修を選ぶ時期に差し掛かっている学部1年生への配慮があったことがわかった。<吉田真奈香>
(写真:神戸大学文学部の学舎。2018年11月撮影)
10月1日に後期が始まり、講義にも「対面授業」が一部で行われるようになり、キャンパスに少し学生が戻ってきた。入試以来初めてキャンパスに足を踏み入れ、学内地図で確認して教室に向かう学生の姿も見られた。
前期はオンライン中心の授業だったが、10月1日からは「活動制限指針」がレベル1に引き下げられて、各学部が授業の一部対面化した。
ニュースネット委員会調べによると、文学部では、1年生対象科目47科目のうち24科目(約51%)が対面、3年生対象科目214科目のうち114科目(約53%)が対面で実施され、1年生の対面化は公表した9学部の中では最も高い比率だった。
文学部教務委員の茶谷直人教授(古代ギリシア哲学)は、「良好な学習環境と最大限の安全確保のために何度も検討を重ねた」という。
まずは基本的な感染予防対策。具体的には、教室の定員数を減らして座席間隔を確保したり、教室入り口に消毒液を設置したりといったことだ。さらに、対面授業と遠隔授業が混在する状況の中で授業を滞りなく受けられるよう、学生たちの動きを事前アンケートによって把握しておき、アクセスポイントを確保することも行った。
また、新型コロナの影響で登校ができない学生に不利益が生じないように、申請をすれば遠隔からでも授業を履修できるという対応を取っている。
後期授業の対面化について、茶谷教授は、「文学部は1学年の定員が100人で『少人数教育』である点を持ち味としており、授業の履修者が比較的少ない傾向にある」とし、教室が密になりにくい文学部ならではの背景があったという。
また、特に1年生の必修科目の多くが対面で実施されることについて、文学部では2年次から各15の専修に所属することに触れ、「(専修を決める判断材料として)可能な限り対面で行い教員と対話する機会を持つことは意義が大きいと考える」と説明する。
了
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