近年あいつぐ六甲山系のクマ目撃情報 イノシシにも注意

 市民から寄せられた「クマのものと見られる足跡と糞見つかる」の情報。神戸市は「イノシシではないか」との見解を大学に示しているが、だれも、その市民が撮影したとされる「足跡や糞」を分析せずに判断している。そんななか、近年六甲山上ではクマの目撃情報がある、というから油断は禁物だ。


(写真:六甲山のふもとにある神戸大の六甲台、鶴甲両キャンパス。)

 11月16日朝、市民から寄せられた「鶴甲第1キャンパス付近でクマのものと見られる足跡と糞見つかる」の情報。
 ツイッター上では、「神戸はイノシシかと思っていたらクマ?」など、半信半疑のリアクションが広がった。

 ところが近年、六甲山系でのクマの目撃情報が相次いでいる。「単なるガセネタ」ではすまされない。

 人に危害を与える動物の出没情報を集めたサイト、『危険動物NEWS』(運営:日本不審者情報センター)には、2019年12月23日付で、「兵庫県警によると、12月21日午前9時36分ごろ、神戸市灘区六甲山町五介山の登山道にクマが出没しました」との情報が掲載されている(https://this.kiji.is/581516593135895649)。
 五介山とは、六甲山上の観光施設、六甲ガーデンテラスや、現代アートに親しめる「六甲枝垂れ」周辺だ。山の麓の神戸大キャンパスとは4キロあまり離れている。

(画像下:神戸市灘区六甲山町五介山)

 さらに、私設の『クマ出没情報ブログ』(管理人:坊主岩太郎さん)には、ちょうど1週間前の2020年11月9日15時30分ごろの目撃情報として、「六甲山、横池の雌池側にて、写真撮影しながら眺めていたら、向こう岸あたりより、カサカサと音がしたので、猪?!かと見ていたら、大きかったので鹿?!かと一瞬思いましたが体の大きさ、歩いてた動きから、どうみても猪ではなく熊でした」という情報が投稿されている。「こちらにこないかと真っ青になり、ゆっくり後退りしながら、急いでその場を立ち去りましたが、無事に下山できるまで、鈴を鳴らし続け恐怖でいっぱいでした」との体験が書き込まれている。(http://sukeroku.blog55.fc2.com/blog-entry-6763.html)
 目撃現場の横池は、神戸大キャンパスからは5キロほど北東の、東灘区内の六甲山中だ。

(画像下:六甲山の横池)

 山の中だけではない。2020年8月19日早朝には、川西市大和東の市道で体長約1mのクマが目撃され、市民が警察の通報している。現場は山の麓の市街地で、神戸大キャンパスと状況が似ている。(神戸新聞=https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202008/0013615992.shtml)
 兵庫県北部の氷ノ山周辺にはツキノワグマの生息地があるものの、六甲山周辺はそのエリアからは外れている。2000年には、京都府南西部から大阪府北部, 兵庫県南東部の六甲山で目撃情報が相次いだことで注目された。(兵庫県立人と自然の博物館の三谷雅純客員教授らの論文「異常出没したツキノワグマの移動地選択:2000 年に六甲山を含む 兵庫県南東部,大阪府北部,京都府南西部で目撃された個体のGISによる解析」=https://www.jstage.jst.go.jp/article/hitotoshizen/12/0/12_55/_pdf)

イノシシでは大けがの事例も 灘区、東灘区、中央区は「危険地帯」

 一方、神戸大周辺ではイノシシの出没は日常茶飯事。
 イノシシに襲われ大けがをするという事例も起きているから、「犬でも猫でもなさそうだ…」という動物には警戒しなければいけない。

兵庫県のイノシシ関連事故件数は全国でも有数の高さで、人に噛み付いたり、自動車とぶつかったりと、とくに神戸市灘区、東灘区、中央区の六甲山周辺で事故が続いている。
 阪神・淡路大震災以降、神戸大の学内や周辺でも、イノシシがかっ歩する姿が頻繁に見られるようになった。
2017年11月には東灘区の埋立地・六甲アイランドでも目撃されて、神戸市民は驚いた。六甲台キャンパスは危険地帯だが、こうなったら深江キャンパスも油断はできない。

子どものイノシシには白い縞模様があって“ウリ坊”とも呼ばれ可愛く見えますが、近づくと影から親イノシシが突進してくる可能性もある。
 これまでに、突進されて転倒する、噛みつかれる、牙で切り裂かれるなどの被害が報告されている。

 かつては六甲山中で見かける程度だったイノシシだが、人が餌付けするようになって市街地に降りてくるようになったという説もある。
2014年に東灘区や中央区で相次いで発生したイノシシによる人身事故を受け、神戸市が餌付け行為を禁止する取り組みを強化するために条例の改正を行っているほどだ。

ハイヒールで早足で歩くような「カツコツ」という音が近づいてきたら、それはイノシシ。
神戸市は、
▽ゆっくり後ずさりをしてその場から離れる。
▽レジ袋の口をしばるなどして、においが漏れないようにして歩き、万一、襲われそうになったら袋やバッグを放棄する。
▽被害に遭ったら鳥獣相談ダイヤル(078-333-4408)に連絡を。怪我をしたらすぐに警察(110番)、救急(119番)を。
と呼びかけている。

六甲台本館前の植え込み周辺では掘り返した跡や足跡、糞が最近も見られた。本部工学部周辺では、フェンスに大きな穴が空いている。
早朝の登校や、夕暮れ時の下校時は、暗がりから飛び出す動物がいるかもしれない。
それはイノシシなのか、それとも…。

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