震災26年 下宿跡やオンラインで祈る神戸大生の遺族

 震災26年を迎えた1月17日早朝、震災で犠牲になった神戸大生の遺族はさまざまな場所で祈りを捧げた。早朝、娘が亡くなった下宿の跡で手を合わせる父親や、オンラインで追悼の集いを配信したクリスチャンの家族、遠く離れた広島で手を合わせた母親もいた。


(写真左:上野志乃さんの下宿跡で手を合わせる父・政志さん。写真右:琵琶町公園の震災慰霊碑に献花する政志さん。 いずれも2021年1月17日、ニュースネットOB撮影。)

 17日あさ5時46分、灘区琵琶町3丁目では、震災で亡くなった上野志乃さん(当時発達科学部2年)の父・政志さんが黙祷を捧げた。
 この場所は、志乃さんが学生生活を送っていたアパート「ニュー六甲ビラ」の跡地。志乃さんは1階の101号室で、同じ神戸大の友人とともに課題の共同製作を作成中に生き埋めになった。
 この日の朝は、学生震災救援隊とニュースネットの神戸大卒業生4人らも、上野さんと共に手を合わせた。
 上野さんは、毎年のように神戸大の講義で震災の体験を学生たちに語ってきたが、2020年はコロナ禍の影響で教壇に立つことはできなかった。
 このあと、上野さんは琵琶町公園の慰霊碑に献花を行った。

 
(画像:YouTubeで配信された森祐理さんの「追悼のつどい」2021年1月17日)

 1月17日、朝5時30分から、亡くなった森渉さん(当時法学部4年)の姉で福音歌手の森祐理さんは、オンラインで追悼の祈りを捧げた。
 例年は、教会などで追悼の集いを開いてきた祐理さんだが、今年はコロナウイルス感染症拡大防止の為、オンラインで追悼の会を開催。
 「あの日を忘れない 阪神淡路大震災 追悼のつどい2021~語り続けよう 祈り続けよう~」という題でYouTube「モリユリちゃんねる」で配信された映像には、祐理さんの「いつくしみ深き」、「しあわせ運べるように」などの歌声が流れ、母・尚江さんが息子の渉さんへの思いを語る姿も生で配信された。また、豊田信行牧師の追悼メッセージも流れた。
 この模様は、アーカイブ化され、 https://www.youtube.com/watch?v=k3KwuLc84KQ で常時視聴が可能。


(写真:広島平和公園で行われた「追悼のつどい」でも「1.17」をかたどった灯篭がともった。=広島と福島を結ぶ会Facebookから=2021年1月17日朝)

 震災で犠牲になった加藤貴光さん(当時法学部2年)の母で、広島市在住の加藤りつこさんは、17日の朝は市内の平和公園にある元安川沿いの親水テラスで祈りをささげた。
 これまで1月17日には、毎年兵庫に訪れ、貴光さんが亡くなった西宮市安井町のアパート跡や、神戸大慰霊碑の献花式を訪れていた。今回は新型コロナウイルスの感染拡大で、神戸行きを断念。震災の日の2日前にFacebookを通じて、広島でも追悼の催しがあることを知ったという。
 「震災復興子ども支援」の佐渡忠和さんらボランティアグループが奔走し、この「追悼の集い」が開かれた。現場には紙灯篭を約260個並べて「1.17」の文字をかたどり、神戸から分けてもらった「希望の灯り」の火がともされた。
 広島で阪神・淡路大震災の祈りを捧げる場があるとは思いもしなかったという加藤りつこさんは、ニュースネットの電話取材に、「息子は、神戸大に入学してから国際貢献をしたいと(ISA日本国際学生協会の)活動をしていた。彼の国際平和を希求する思いと、この広島での祈りがつながった気がする。コロナが次のステージを教えてくれた気がします」と話していた。

(写真下:広島の「追悼のつどい」に参加した加藤りつこさん。=広島と福島を結ぶ会Facebookから=2021年1月17日朝)

【関連記事】「あなたのことを忘れない 神戸大学四十四人への追悼手記」https://kobe-u-newsnet.com/top/newsnet/sinsai/tokusyu/tuit_top.htm


 

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