ワクチン接種、阪大 近大 広島大など“GO” 神戸大「検討中」のまま

 政府は、新型コロナウイルスのワクチン接種を6月21日から大学でも始める方針を発表し、8日から申請の受け付けを始めている。近大、阪大、広島大などが学内接種の具体的計画を発表、神戸市看護大や甲南大は近隣大と合同での実施を発表する中で、神戸大は6月9日午後の段階で「検討中」のままだ。<塚本光、大木凛>

 新型コロナウイルスのワクチン接種について政府は6月21日から職場や大学などでの「職域接種」を始める方針で、6月8日から申請の受け付けを始めている。

 6月1日、「政府が6月21日から職場などでの接種を始める方針を示した」という報道が流れ、「キャンパス接種」が一気に注目を集めた。

 6月2日午前、共同通信が大学を会場とする学生らへのワクチン接種を巡り、東北大、広島大、帯広畜産大、宇都宮大、豊橋科学技術大、滋賀大、京都工繊大の7大学での実施を、他の大学に先行して進める方向で調整に入った。と報じた。


(写真:神戸大学本部 資料写真)

●神戸大は「学内接種想定」だが、「学内打ち手確保」可能と回答せず

 6月4日には、日本経済新聞が、緊急事態宣言下にある10都道府県の国立大の意向を報じ、神戸大や阪大は「学内接種を想定」と回答したと報道し注目された。
 同紙は学内での接種に協力する意向があるのは東京外国語大、愛知教育大、阪大、大教大、神戸大、兵教大、京都工繊大、広島大など22校だと伝えた。
 ただ自校で打ち手を確保できると答えたのは、旭川医大、東京医科歯科大、阪大、広島大、九州大の5校で、神戸大は学内で打ち手を確保できると回答していない。
 東大や京大、北海道大、名古屋大、京教大、岡山大など残る14校は検討中や未定とした。

●近大、阪大、広島大はキャンパスで接種へ

 これに相前後して、全国各地の大学が、キャンパスでの接種計画を次々に明らかにしている。

 6月4日午前、近大が学生や教職員ら計約2万8000人に対し21日の週から東大阪キャンパスでワクチンの接種を始めると発表。打ち手は近大医学部の医師らが担当する予定で、1日最大3000人規模の接種を計画中と発表し注目された。
 また同日午前、広島大も、今月21日から学生と教職員を対象に新型コロナウイルスのワクチン接種を始めると学長が記者会見して発表。
 東広島市にあるキャンパスの体育館で、土・日を中心に、1日当たり大学の医師や看護師、それに歯科医師など最大で20人余りが対応にあたると、具体的な計画を明らかにしている。
 6月4日には、阪大も学生や教職員などあわせて3万6000人を対象に今月21日からキャンパス内で接種を始めると発表。医学部や歯学部の教職員は通常診療や大阪市の大規模接種会場への派遣で対応が難しいことから、学内の保健センターの医師や看護師が主に接種を担当し、会場のスタッフに学生を採用することも検討しているとNHKニュースは伝えている。

●大府大、大市大、慶応大、日大、千葉大なども実施へ

 同じ6月4日、大府大(堺市中区)と大市大(大阪市住吉区)の運営法人も、両大学で21日から接種を始めると報道機関の取材に答えている。
 6月7日には慶応大が、8日には日大と千葉大も教職員対象の実施を発表した。

●兵庫県内は神戸市看護大や甲南大が近隣大と合同で実施計画

 兵庫県内では、6月7日、神戸市看護大のキャンパスを使って、神戸市外国語大も含めたあわせておよそ3000人の学生などの接種を行う方針を固めた、と報じられた。医師や看護師の資格を持つ教員らが接種にあたるという。
 6月9日には、東灘区の甲南大が、甲南女子大、神戸薬科大と合同で申請をする方針を決めたとの報道が流れた。NHKは、区内の甲南医療センターから医師や看護師の派遣を受けて接種を進める計画で、神戸薬科大学に勤務する薬剤師も調剤などを行うことにしていると伝えている。

 同日付の神戸新聞は、西宮市の大手前大などを運営する大手前学園も、歯科医師免許を持つ歯科衛生学科の教員らを注射の打ち手として確保し、学生と教職員約4500人に接種する準備を進めていて、兵庫県立大も接種する方針を決め、神戸市と姫路市にある3キャンパスでの実施を検討し、医師などの確保を進める、と伝えている。

●神戸大は6月9日午後の段階で正式発表せず

 こうした中で、神戸大は6月9日午後の段階で具体的な発表はしていない。
 大学本部の複数の関係者によると、学生から「神戸大はワクチン接種はするのか」「持病がある場合優先接種が可能なのか」などの問い合わせが数件あったという。
 ただ、学生、教職員へのワクチン接種は国からの要請を受け現在検討中で、「まだ時期など詳しいことは決まっていないため、正式に決定され次第公表します」と話している。
 医学部系の藤澤正人学長がこの4月に就任したばかりだが、神戸市主体で5月31日から運用が始まった、ノエビアスタジアム神戸の大規模接種会場に医師・看護師を派遣するなど「全面的に協力」している。
 六甲台、深江、楠、名谷のキャンパスをどう活用してキャンパス接種を行うのか。調整が待たれる。

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