神戸大硬式野球部は、１１月１日に南港中央野球場で行われた明治神宮野球大会関西地区第２代表決定戦の１回戦で、関西大学と対戦。１－６で敗れ、明治神宮大会初出場を逃した。守備では失策や先発の被弾などで３回までに５失点、得点は押し出し死球による１点だけと、投打が振るわず。＜本多真幸＞

（写真：試合終了後、スタンドに一礼する硬式野球部）

　前日に行われた第１代表決定戦１回戦に敗れ、後のない神戸大硬式野球部（近畿学生野球秋季リーグ１位）は、最後の関西地区代表権をかけて、１１月１日に、第２代表決定戦１回戦に臨んだ。対戦相手は、第１代表決定戦準決勝で佛教大に敗れた関西大（関西学生野球秋季リーグ１位）だった。

　試合は、南港中央野球場で、観客を入れて行われた。

　１回裏、神戸大は１番市川、２番岡崎が連続出塁して無死一、二塁のチャンスをつくるも、後が続かず、無得点に終わる。直後、２回表に神戸大の先発吉賀が、１死二塁から中前適時打を浴びて先制を許す。３回表には、関西大の３番野口（プロ野球オリックスから２０２１年ドラフト２位指名）の３点本塁打で、差を広げられた。

　神戸大エースの藤原は、４回表から最終回まで登板。4回表、自ら招いたピンチから味方の失策で１点を失うも、６回を被安打３、自責点０のピッチングでエースの意地を見せた。

（写真：８回裏、藤原は２死三塁のピンチを背負うも、無失点に抑える）

　打線は、２回以降２安打に抑えられた。９回裏、四死球で２死満塁のチャンスとしたが、５番佐伯の押し出し死球による１点にとどまった。

（写真：9回裏無死から石川が死球で出塁し、盛り上がる神戸大ベンチ）

＜第１９回大阪市長杯争奪関西地区大学野球選手権大会　兼　第５２回明治神宮野球大会関西地区代表決定戦　第２代表決定戦１回戦＞
関西大（関西学生野球）０２３　１００　０００｜６
神戸大（近畿学生野球）０００　０００　００１｜１
＜大阪・南港野球場＞

伊藤主将「みんなのおかげでここまでこれた」

伊藤太造主将：関西大学はやはり力があるチームだった。神戸大学はミスなどで自分たちのプレーができなかった。まだまだ力が足りないが、それだけ成長できるということだと思う。先輩に引っ張ってもらい、同期に助けられ、後輩に底上げしてもらったおかげでここまで来ることができた。人に恵まれた４年間だった。野球自体は続けないが、OBとして後輩たちのために今後も動いていきたい。

（写真：ラストミーティングで挨拶する伊藤主将）

中井監督「４年生は、いいチームワークをつくってくれた」

記者）今日の試合を振り返って。
中井明則監督）率直に言えば力負け。藤原は昨日の天理大戦での疲労があるし、先を考える終盤までに２点差以内にくらいついて終盤３回から藤原に投げさせつつ打線が追い上げるイメージだったが、甘かった。藤原は先もあるしケガさせたくはなかった。点差をつけられたので、（４回表からの）藤原投入で何とかしたかったが無理だった。

記者）先発の吉賀（１年）について。
監督）（関西大３番）野口に打たれたホームランはすごかった。立ち上がりはよかったし、打たれても成長につながると思う。

記者）最終回の追い上げは、今年のチームらしい粘り強さだった。
監督）７、８、９回の得点力が高いチームだったので、終盤に持ち込めばという気持ちがあった。来年のチームにもつながると思う。

記者）リーグ優勝、神宮大会予選となかなかない経験ができた。
監督）スタンドでたくさんの方々が一緒に喜んでいるのを見ると、勝つことの大切さを感じたし、自分を含めてチーム全員が貴重な体験をさせてもらえた。

記者）今日で４年生が引退するが、振り返ってみてどのような世代だったか。
世代）やさしくて仲のいい学年だった。大会の２週間前にメンバーを決めたとき、ベンチから外れた選手たちと話したが、しっかり理解してくれて、それから２週間ずっと練習や運営の手伝いを明るく続けてくれた。彼らが練習で選手たちを「まだまだいけるやろ！」と激励し、それを受けた下級生たちも元気よく笑顔で「ありがとうございます！」と応える。下級生から愛される、いいチームワークをつくってくれた。

記者）新チームの展望は。
監督）チームとして危機感はある。近畿リーグでの戦いは厳しくなることが予想され、かなりの努力が必要になると思う。コロナ禍でオープン戦がほとんどできなかったこともあり、この１年間の対外試合はほとんど４回生中心だった。特に、ベンチ入りしていた捕手がいずれも４年生で、実践経験のある捕手が全くいない。Ｂチームにいたっては対外試合が２、３試合しかできていない。ともかくここから頑張りたい。

（写真：引退する４年生に向けて話す中井監督）

了