神戸大ニュースネット委員会は、神戸大に関連する2021年の出来事の中から10大ニュースを記者の投票で選んだ。硬式野球部の35年ぶりリーグ優勝という明るいニュースが3位に入ったが、10項目中7項目がコロナ禍に関するニュースで、依然として学生生活に暗い影を投げかけている。読者からの投票もフォームで募っている。<塚本光>
【2021年神戸大学10大ニュース】
1位 2年ぶりの入学式、異例の2部制で 1、2年生同日開催(4月6日)
2位 六甲祭、多彩にオンライン開催 コンテストは運営の「不適切対応」で中止に(9月7日)
3位 硬式野球部 35年ぶりのリーグ優勝(10月6日)
4位 課外活動、再び全面禁止 3回目の緊急事態宣言で(4月30日)
5位 自由劇場約10か月ぶりの活動再開を発表(12月3日)
6位 前期の授業 対面中心から急転直下オンラインに(4月)
7位 藤澤正人教授 第15代学長に就任(4月1日)
8位 校舎にもウリ坊出没 廊下疾走の動画バズる(7月22日)
9位 コロナ禍で2年ぶり卒業式(3月25日)
10位 震災26年 慰霊献花式、コロナ禍のもと静かに開催(1月18日)
ニュースネット委員会が、メディア研と共同運営するニュースブログ(https://blog.goo.ne.jp/kobe_u_media)に掲載したニュースは、2021年1月1日から12月26日20時までに396本(告知記事も含む)あった。一部関連項目をまとめたなかから、記者が2021年を代表する重要なニュース項目を投票で選んだ。
【1位】2年ぶりの入学式、異例の2部制で 1、2年生同日開催(4月6日)
4月6日にワールド記念ホールで入学式が行われた。午前は新入生、午後は昨年新型コロナ感染拡大で実施できなかった2年生を対象にした異例の2部制に。午前の部では、作家の玉岡かおる氏が記念講演を行い、午後の部では、神戸大学ベルカンとの座談会が開催された。会場への入場は学生のみに制限され、式典の模様は、Youtubeでライブ中継された。
(写真:新型コロナ禍の感染再拡大の兆しの中、対面で行われた新入生の入学式。ソーシャルディスタンスをとって着席した。2021年4月6日午前10時すぎ。中央区港島中町のワールド記念ホールで)
▼「4344人の神大生を迎え 2年ぶりの入学式」=https://blog.goo.ne.jp/kobe_u_media/e/d09f23a3f1c5e8c3cb21de9187d13347。
▼「新入生の声 『去年入学した友人と同じ日なのはちょっと複雑』」=https://blog.goo.ne.jp/kobe_u_media/e/4f0dc676a21f3c9df90f316a12560e04。
▼「『やっと入学できた』『入学式というより始業式』」 2年生の声」=https://blog.goo.ne.jp/kobe_u_media/e/f5900e0c7535bf2a133aa35ced142acc。
【2位】六甲祭、多彩にオンライン開催 コンテストは運営の「不適切対応」で中止に(11月13日)
今年の六甲祭は初の全面オンライン開催に。昨年は、ミスコン、ミスターコンのみのネット開催だったが、今年は多くの課外活動団体などの手で41もの企画が多彩に繰り広げられた。
一方で、初の男女混合コンテストの試みだった「THE Campus KOBE」は迷走した。出場者の一人が、8月6日、投票のしくみをめぐる“運営側の不適切な対応”を理由に「棄権する」とTwitterで表明。9月2日までコンテストが中断する事態となった。運営統括は退任、出場者はコンテストにいったん復帰したが、謝罪文や詳しい経緯がネット上に発表されるなど異例の展開となった。
さらに六甲祭開催直前の11月9日にファイナルイベントの開催中止が発表され、グランプリや順位の発表は行われなかった。関係者によると、大学がファイナルイベントの開催を認めなかったことが理由だったとされている。
▼「運営の『不適切な対応』で一時中断 六甲祭THE Campus KOBE」(9月7日)=https://blog.goo.ne.jp/kobe_u_media/e/aef928eef835ded18b9d7be72db2f14f 。
▼「フォロワー数を基準とする審査方法変更へ THE Campus KOBE」(9月6日)=https://blog.goo.ne.jp/kobe_u_media/e/e9021ad392caa7ac693871d055dc7f3a 。
▼「昨年は炎上、今年はトラブル 六甲祭コンテスト開催の意義どこに」(9月6日)= https://blog.goo.ne.jp/kobe_u_media/e/f0ef17e66044ccd043d0a5a54232276d 。
▼「コンテストのファイナルイベント中止 六甲祭『THE Campus KOBE』」(11月9日)=https://blog.goo.ne.jp/kobe_u_media/e/c3769178ad56db94a362944892fa2035。
▼「六甲祭2021 オンラインで41企画を発信」(11月12日)=https://blog.goo.ne.jp/kobe_u_media/e/485dfe46c96bb2cbc5f882b736bb0f25。
(画像:昨年と違って、学生団体のオンライン企画が数多く開催された六甲祭。画像はニュースネット委員会が主催した「阪神・淡路大震災フォーラム『記録と記憶、共有と発信』」のスクリーンショット 2021年11月14日)
【3位】硬式野球部 35年ぶり9回目のリーグ優勝(10月6日)
神戸大硬式野球部は、10月5日、近畿学生野球連盟秋季リーグ1部で35年ぶり9回目の優勝を決めた。勝ち点で並んでいた和歌大が、この日、奈学大に敗北したため勝率の差で優勝が決定した。
10月30日からの関西地区大学野球選手権大会に出場したが、2連敗し、神宮大会出場はならなかった。
▼「35年ぶり9回目のリーグ優勝 硬式野球部」=https://blog.goo.ne.jp/kobe_u_media/e/b0c85ea554d2dea0f1c02bd8a866e973。
▼「硬式野球部優勝 35年前の優勝を知るOBが語る」=https://blog.goo.ne.jp/kobe_u_media/e/a8207de0fadc959229d5a5e65f10051b。
(写真:優勝翌日行われた祝勝会。満面の笑みで胴上げを行う選手と宙に舞う中井明則監督 2021年10月6日午後、六甲台グラウンドで 硬式野球部提供)
【4位】課外活動、再び全面禁止に 3回目の緊急事態宣言(4月30日)
神戸大学生支援課は、「4月30 日(金)〜 5月11日(火)の課外活動については原則禁止」とした通知を、同日メールなどで課外活動団体に伝えた。対面での活動が再び禁止となった。活動禁止は、6月21日まで続いた。
3月下旬には、「体験入部」も認められるなど、前年春から1年間続いた課外活動の規制にようやく“雪解け”ムードが広がっていたが、4月に入って新型コロナの感染急拡大で、再び“氷河期”の様相になった。
6月20日には緊急事態宣言が解除され、部分的に対面活動が認められ、秋には条件付きでた大学生部員の参加も認められた。さらに10月下旬の秋新歓はオンラインと対面のハイブリッド開催されたり、12月には「3時間制限」を年明けからはずす方針が打ち出されるなど、感染の拡大状況に合わせて、規制は強化されたり緩和されたりが繰り返されることに。しかし、12月にオミクロン株の感染が広がり始め、30日には兵庫県内で初めて市中感染が確認され、再び課外活動への制限強化への懸念が広がっている。
▼「5月11日まで対面での課外活動は原則禁止に 学生支援課が通知」=https://blog.goo.ne.jp/kobe_u_media/e/2aad395451504abd07b50282de654752。
【5位】自由劇場、11か月ぶりの活動再開を発表(12月3日)
神戸大演劇部自由劇場が、12月3日にツイッターで「11月1日付けで大学から活動再開の許可を得た」と発表した。
同部は、昨年12月25日付で1年3か月の課外活動停止処分を受けていたが、約11か月ぶりの活動再開となった。「学内での活動は3時間」という制限を守らなかったこと処分の原因と発表されていた。
▼「自由劇場 約10カ月ぶりの活動再開を発表」=https://blog.goo.ne.jp/kobe_u_media/e/38459c7cafc3cc51e4f4c3ae74d6ca6c。
【6位】前期の授業形態 対面中心から急転直下オンラインに(4月)
前期の授業方針については、2月に「新年度は『対面による授業を中心に開講する』というのが大学全体の基本方針」と一部の学部が公式サイトで公表し多くの学生が期待を寄せた。
しかし、4月に入って各学部は「少なくとも4月末までは遠隔授業を基本とする」(4月12日海洋政策科学部)、「4月13日(火)から19日(月)まで、全ての授業をオンラインで実施」(同日法科大学院)と、全学方針と違って実態はちぐはぐな状況に。
結局、新型コロナの感染拡大を受け、授業開始1週間後の4月19日には、全学サイトは「前期は可能なかぎり順次遠隔授業に切り替える」と急旋回。5月26日には、「9月末までの間、授業はできるかぎり遠隔で」と発表された。
10月1日の緊急事態宣言解除で、12月2日からの第4Qの対面授業は徐々に広がったが、先行きは依然不透明だ。
《兵庫県の新型コロナウイルスの感染に対する対応》
2020年
4月 7日〜5月21日 初の緊急事態宣言
2021年
1月14日〜2月28日 2回目の緊急事態宣言
4月 5日〜24日 初のまん延防止等重点措置の適用
4月25日〜6月20日 3回目の緊急事態宣言
6月21日〜7月12日 2回目のまん延防止等重点措置の適用
8月 2日〜8月31日 3回目のまん延防止等重点措置
8月20日〜9月30日 4回目の緊急事態宣言
10月1日〜 宣言も措置適用もなくなる
12月30日 オミクロン株、兵庫県で初の市中感染を確認
▼「わずか1週間のキャンパスライフ 1年生の声を聞く」=https://blog.goo.ne.jp/kobe_u_media/e/c31e080227323525a0d0cea84e1ed3cc。
【7位】藤澤正人教授 第15代学長に就任(4月1日)
藤澤正人教授が、4月1日付で第15代神戸大学学長に就任した。
大学公式サイトには、「大学間競争が激しくなる中で、大学間の連携も視野に入れ、投資家、産業界、自治体などとの連携強化や、研究教育、経営の創造的改革に取り組んで、国際的な研究教育の拠点を形作りたい」と意欲的なメッセージが掲載された。
▼「藤澤正人・新学長が就任メッセージ 大学サイトに掲載」=https://blog.goo.ne.jp/kobe_u_media/e/cf84b4a8f418eded18ca4aa1f38d55c3。
(画像:藤澤正人新学長。大学公式サイトから)
【8位】学内にウリ坊出没 廊下疾走の動画バズる(7月22日)
1匹のウリ坊が、工学部校舎の廊下を疾走している16秒の映像。7月16日に法学部教授がツイッターにアップした動画が13万回も再生されて話題となった。
5匹で行動していた集団のうち、7月20日に2匹は捕獲され、殺処分に。神戸市によると、電話で通報があり、市から委託された地元猟友会によって校地南側の貯水池付近で捕獲されたという。残る3匹は「逃走中」だ。
▼「校舎を疾走するウリ坊 危険な親イノシシはどこに?」=https://blog.goo.ne.jp/kobe_u_media/e/b5f2b2e5cda85de028f26e37362be7b8。
▼「捕獲されたウリ坊は2匹、殺処分に 3匹は逃走中🐾」=https://blog.goo.ne.jp/kobe_u_media/e/ec3221605dd26c40718c06657126391b。
(画像上左:廊下の向こうから走ってくるウリ坊。 画像上右:ドアから校舎外に飛び出す。鼻が突き出て瓜型の体形。いずれもツイッターの動画から)
【9位】コロナ禍で2年ぶりに卒業式(3月25日)
3月25日、新型コロナの影響で2年ぶりの開催となった全学の学位記授与式(卒業式)が、ワールド記念ホールで行われ、学部2543人、大学院修了者1170人が巣立った。感染第4波の兆しが報じられる中での式典となったが、武田廣学長(当時)は式辞で、「複眼的な視点で激変する動きから取り残されるな」と訴え、卒業生代表は「技術や知識の盾で大切なものを守ります」と決意を述べた。新型コロナ感染拡大を防ぐため保護者の参列はできず、式の模様はオンラインで配信された。
▼「コロナ禍で2年ぶりの卒業式 『技術や知識の盾で大切なもの守る』と答辞」=https://blog.goo.ne.jp/kobe_u_media/e/7f329ed0a465aa6f115f545d721da7b8。
【10位】震災26年 慰霊献花式、コロナ禍のもと静かに開催(1月18日)
阪神・淡路大震災から26年。1月18日午後、六甲台第1キャンパスの慰霊碑前で遺族や武田学長(当時)が参列して慰霊献花式が行われた。コロナ禍のなかのため、大学側からは幹部教職員のみの参列で、遺族も3組と静かな式となった。
▼「コロナ禍の震災26年 静かに慰霊献花式」=https://blog.goo.ne.jp/kobe_u_media/e/3b7bbb4398c9436894acc30e49ecc326。
(写真:震災慰霊碑に献花し、手を合わせる武田学長<当時>。 2021年1月18日12時21分、神戸大六甲台第1キャンパスで。)
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了
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