1月16日、神戸学生青年センター2階ホールで、阪神・淡路大震災27周年記念講演会が行われた。神戸大に通っていた娘の志乃さんを震災で亡くした上野政志さんが講師を務め、震災についての思いや体験から命の大切さを語った。<塚本光・佐藤ちひろ>
(写真:神戸学生青年センターで。20人以上が足を運んだ。)
1月16日午後、神戸学生青年センター2階ホールで、阪神・淡路大震災27周年記念講演会「生きてこそ〜1.17を忘れない」が行われた。
被災地に学ぶ会と神戸大学生震災救援隊が主催し、当時神戸大に通っていた娘の志乃さんを震災で亡くした上野政志さんが講師を務めた。
講演会は、オンラインと対面のハイブリッド形式で行われ、それぞれの方法で20人以上が参加した。会場には、学生や神戸大の関係者、記者などが足を運んだ。
(写真:会場の壁には志乃さんの写真などが展示された。)
上野さんの講演の前には、被災地に学ぶ会代表の藤室玲治さんが挨拶をした。
藤室さんは、志乃さんと同学年で神戸大に通っていた。上野さんとは佐用町の水害の際に出会った。
これまで上野さんは藤室さんを通じて、神戸大で総合教養科目の授業で講義をしていた。
しかし、ここ数年は新型コロナウイルス感染拡大の影響もあって開催できておらず、今回の講演会を開催することとなった。
講演で上野さんは、震災についての思いや体験、志乃さんについての思い出から、阪神・淡路大震災での課題などを通して、命の大切さを語った。
また、終盤では、「生きるとは分かち合うこと。」「学習するとはまず一歩踏み出すこと。」と、教員をされてきた上野さんならではの話をした。
●参考記事「【慰霊碑の向こうに】14 故・上野志乃さん(当時発達科学部2年)=父・政志さんの証言」=https://blog.goo.ne.jp/kobe_u_media/e/d36e620a22d68ccc12b625fbb6825445
https://blog.goo.ne.jp/kobe_u_media/e/3be06ac403d6e571902f2f2070982606
(写真:志乃さんが美術の授業で作成した作品を紹介する上野さん)
講演後には、質疑応答が行われた。
オンラインで参加した東北大の1年生から、「命の大切さをどのように伝えているのか」という質問があり、上野さんは、普段の講演での伝え方を説明した。
また、震災救援隊の学生から出た「同じ災害を経験していない人はどのように話を聞くべきか」という質問に対しては、上野さんは「体験したらいっぺんにわかるけど、(そうでないと)わからないことが多い。寄り添うためには、色々現場で体験して、徐々に力をつけて行っていただけたらいいと思う。」と答えた。
最後は学生震災救援隊の山茂さんが挨拶と講演の感想を語り、講演会は幕を閉じた。
講演会終了後には、感想交流会が行われ、さまざまな意見が飛び交った。
了
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