「私の試験会場はどこ?」 入試の朝、迷子の受験生続出の神戸大

 昨年の2次試験の朝、試験開始前の朝8時過ぎには六甲台正門前付近のヘアピンカーブは増発された神戸市バスと、受験生を送る自家用車で渋滞がおきていた。開始時間が迫る中、あわてて自分の試験会場を探して受験生が坂を上り下りしていた。神戸大のキャンパスは8つの学部が階段状になっていて、平面の地図では想像できない複雑さ。受験生の皆さん、必ず下見をしておきましょう。<OB取材班>


(写真:タクシーで駆けつけ、大学職員に試験会場を訪ねる受験生。2021年2月25日午前8時30分、六甲台正門前で。)

 2021年の2月25日。2次試験の朝の神戸大キャンパスは迷子の受験生たちが坂を上りたり下ったりしていた。
 六甲台の正門前ではタクシーや市バスから、マスク姿の受験生たちが次々に降りてくる。
コート姿の女子受験生は、持ってきたプリントを大学職員に見せると、「坂を降りてカーブのところで、下に降りる道があります。矢印が出ています」という案内。あわてて坂道を本部方向に小走りに降りていった。
 その坂の下の分かれ道では「神戸大学学務部」と背中に書かれた薄いグレーのコート姿の係員が待ち受けていて、「工学部試験場はどっちですか」と焦った声の受験生に、「その道を下に降りてください」と促す。細い道を、何人もの受験生が工学部方向に駆け降りていく。
 逆に、「この上のキャンパスですね」と指さされた坂の上を目指し、黙々と早歩きで正門方向に登っていく詰襟姿の受験生の姿もあった。

「正門に行けばなんとかなる」は大きな間違い

 神戸大の六甲台第1キャンパスと第2キャンパス、それに鶴甲第1キャンパスは隣接しているが、その接続部は標高差があって坂道とカーブばかり。「正門に行けばなんとかなる」と思って36系統のバスに乗るのは禁物だ。
 対応に追われる係員は、「同じ学部でも去年と会場が違っている。先輩に聞いてここに行けばいい、と思い込んでいる受験生もいますね」と話す。
 経済学部のように、学部自体の校舎は市バスの『神大正門前』で降りて大階段を上がるのがルートだが、2020年度の試験会場は坂の下の国際人間科学部がある鶴甲第1キャンパスだった。受験学部の学舎と試験会場のキャンパスが違うのも間違いやすいトラップになる。

8つも学部が階段状に配置されていて複雑

 迷っている受験生は、各所にあるカラフルな「キャンパスマップ」の看板の前でおろおろしているのだが、持っている受験書類には「第○試験場」と書いたプリントしか持っておらず、いくら「キャンパスマップ」の看板を見てもそこには「第○試験場」と書いていない。
 時間が迫って動揺すると、「『第○試験場』なら『○○学部学舎』。だから「キャンパスマップ」のここへ行けばいい」、という思考ができなくなってしまう。なにせ、神戸大の六甲台地区は広くて8つも学部がある。しかも階段状に配置されている。
 大学側は案内係を、キャンパス周辺の迷いやすいポイントに配置する配慮をしているけれど、受験生ときたら迷っているのに冷静さを装ったりするから、係員も声をかけにくい。
 これではまさに、遅刻へのスパイラル。

神戸大受験生に4つのアドバイス

 そこで、後期受験生(または来年以降)に4つのアドバイス。
1、前日下見が必須。(地元神戸の受験生も油断禁物)
2、「第○試験場」と、「試験会場のキャンパス・学部名」、「試験会場地図」のすべてを確認できる手元資料を持参すること。
3、渋滞を予想して時間には余裕を持って。
4、試験会場に近づいたら、「神戸大学学務部」と背中に書かれたコート姿の係員に「ここでいいですか」と念のため確認する。

すべての神戸大受験生にサクラ咲く春が訪れることを祈りたい。

(写真:去年の神戸大2次試験会場。2021年2月25日午前9時すぎ 鶴甲第1キャンパスで)

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