深江丸が離岸 95年の歴史に幕

 海事科学研究科の練習船『深江丸』の業者引き渡しが3月15日朝に行われた。戦後初代の『深江丸』の進水から64年。戦前の深江丸から数えると、95年の歴史にピリオドを打ったことになる。3月22日には新しい多機能練習船『海神丸』が入港し、新しい時代がスタートする。<OB取材班>


(写真:岸壁を離れる練習船『深江丸』。引き渡しと同時に「第十蝶土里丸」へと船名が変わった。2022年3月15日午前9時すぎ 神戸市東灘区深江南町で。元深江丸船長 矢野良治教授提供)

 曳航船のトラブルで日程がずれこんでいた、練習船『深江丸』の業者引き渡しが、3月15日朝に行われ、午前9時から作業が始まり10時前には深江キャンパスのポンド(船だまり)から出て、神戸大学の管轄を離れた。岸壁では、OBや教員ら関係者が手を振って見送った。

 深江丸は、神戸商船大、統合後の神戸大学海事科学部の訓練の場となっただけでなく、大阪府立大の船舶実習など全国の大学に共同利用され、附属小中学校の総合学習や企業研修、市民の公開講座などにも活躍した。神戸大の他学部生には、2019年度まで行われた初夏の「深江祭」で体験乗船した学生もいるはずだ。

 古くは、神戸高等商船学校が学内での汽艇教育の充実を図るために、1927年(昭和2年)1 月に建造したのが始まりだと記録にある。
 戦後初代の『深江丸』は、1958年2月に進水し、1968年2月には新しい『深江丸』にバトンタッチ。1987年に進水した戦後3世『深江丸』が今回廃船となり、新しい練習船『海神丸』に引き継がれることで、戦後の『深江丸』の名前は64年の歴史に幕を降ろした。戦前の深江丸から数えると、95年の歴史にピリオドを打ったことになる。

 最後の船長を務めた矢野吉治教授によると、引き渡しと同時に解撤事業者側で「第十蝶土里丸」へと船名を変更したという。今後何らかのトラブルが発生したときに、船名「深江丸」では神戸大学側に迷惑がかかる恐れがあるからとの配慮だという。また、ポンド停泊中に船体に表記された船名「深江丸」を抹消しなかったのも教職員や学生への配慮だという。

 3月22日(火)午後、新しい多機能練習船『海神丸』が深江キャンパスのポンドに着岸する予定で、23日(水)には引き渡し式が行われる。

【関連サイト】公式ホームページ「深江丸へようこそ」=https://www.edu.kobe-u.ac.jp/gmsc-fukaemaru/ 。

(写真下:曳航船に曳かれ深江キャンパスの岸壁を離れた練習船『深江丸』。岸には手を振るOBや教員らの姿が。2022年3月15日午前9時すぎ 神戸市東灘区深江南町で。桜井加津子さん提供)

(写真下:岸壁に集まって見送るOBや教職員ら。2022年3月15日午前9時すぎ 神戸市東灘区深江南町で。元深江丸船長 矢野良治教授提供)

(写真下:すぐそばの第四工区公共岸壁に移された旧深江丸。タグボートが寄り添う。2022年3月15日午前。元深江丸船長 矢野良治教授提供)

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