レイバンズ、終了間際に同点機も京大に惜敗 今季全試合を終える

 関西学生アメフトリーグDIV1の第6節が11月12日、大阪府吹田市のMKタクシーフィールドエキスポで行われ、神戸大アメフト部レイバンズは京大と対戦した。試合は、試合終了間際、神戸大が同点のチャンスで決めきれず、24-31で敗れた。また、神戸大の今季リーグ全試合が終了し、3勝4敗(不戦勝1を含む)で、勝っていれば、3位か4位が確定したが、敗北したため、今季は他チームの試合結果により、3位から6位までのいずれかとなる。リーグ戦は11月27日まで続く予定。また、寺川陸主将(工4年)など4年生が引退した。<本多真幸、久保田一輝>

(写真:試合終了後、泣き崩れる選手もいた)

 今季の神戸大は2勝3敗の5位。第7節の同大戦は不戦勝がすでに決まっており、入替戦に出場する可能性もないため、試合前から、この京大戦が今季最終戦であり4年生の引退試合と決まっていた。

 試合は京大のオフェンスで始まった。1Q3分、京大にパスプレーでのタッチダウンを決められて先制を許したが(0-7)、次のオフェンスで、神戸大も橋本侑磨(海事4年)のタッチダウンと、長尾涼平(海政2年)のトライフォーポイントですぐさま追いつく(7-7)。

 その後の京大オフェンスをしのいで攻撃権を得た神戸大だが、QB小川滉太(農4年)のパスがインターセプトされて攻め込まれ、再びリードを許す(7-14)。

 2Qは、6分に長尾が40ヤードのフィールドゴールが成功し、3点を返す(10-14)。直後にはオンサイドキックオフを成功させて続けて攻撃権を得たが、得点にはつながらず、ビハインドで前半を終える。

(写真:2Q、40ヤードのフィールドゴールを決めた長尾。)

 ハーフタイムをはさんで後半は、神戸大のオフェンスからスタート。開始直後、神戸大のサーブをキャッチした岡田堂生(海政2年)が京大ディフェンスをかわして90ヤード以上を走りぬき、逆転する(17-14)。

(写真:3Q開始直後、タッチダウンを決めた岡田)

 しかし、その後は思うように攻めきれない一方で、京大には4Q6分までに2度のタッチダウンと1度のフィールドゴールを許し、タッチダウン2本分の差をつけられる(31-17)。

 絶望的な状況だが、神戸大は諦めなかった。パスプレーによる大幅なゲインを狙う思い切った作戦に出て、前進していく。4Q8分にはQB小川から橋本へ35ヤードのパスが通り、トライフォーポイントも決め手一気に7点差に迫る(31-24)。

(写真:4Q、タッチダウンを決める12番橋本)

 直後の京大オフェンスは手堅く防ぎ、残り2分20秒で自陣16ヤードから再び神戸大オフェンスとなる。敵ゴールライン17ヤードまで攻め込み、一度はインターフェアの反則で15ヤード後退したが、QBの11番小川から18番大高理玖(海事3年)までのロングパスで再びゴールライン手前まで攻めこむ。
 
 同点にする最大のチャンスとなるが、次のプレーで、小川がタックルされてファンブルして、ボールは後方へ。神戸大が自らリカバーしたが、エンドゾーンまで30ヤードまで離されてしまった。

(写真:4Q終了間際、QB11番小川がタックルされ、ボールは後方へ)

 試合残り12秒となったところで、神戸大がタイムアウトで1呼吸置く。神戸大のサポーターが固唾をのんで見守る中、小川が投げたパスは無情にも京大ディフェンスにカットされ、そのままインターセプトされる。試合終了し、神戸大は京大にあと一歩及ばず惜敗した。

(写真上:目に涙を浮かべるQBの小川。写真下:ミーティング後、思いがこみ上げる寺川主将)

 これで、神戸大は今シーズンを3勝4敗(うち不戦勝1)で終えた。勝っていれば、3位か4位が確定したが、敗北したため、今季は他チームの試合結果により、3位から6位までのいずれかとなる。リーグ戦は11月27日まで続く予定。

以下は、試合後の寺川主将と、矢野川源監督のインタビュー。
聞きて)最終戦を迎えるにあたってどのような気持ちで臨みましたか。
寺川主将)4位という来年3強(同じDIV1所属の関学大、関大、立命大)に食らいつくためのベストポジションを後輩に渡したかったが、それができず悔しいです。京大QBの泉君(3年)を止めるための練習をしてきたのですが、できなかったのが一番(悔しい)。来年も(泉は)すばらしい選手としてこのリーグにい続けると思うので、ディフェンスの後輩たちには彼にタックルできる力をつけてほしい。

聞きて)試合終了間際の猛攻をどう見つめていましたか。
寺川)「実力とか関係なく、4回生として意地を見せろ」というそれだけの思いでした。

聞きて)今季3勝4敗(うち不戦勝1)という結果になりました。
寺川)勝つために今まで練習してきたので、正直この結果には満足していないし、達成感というよりは悔しい思い以外のことは考えられないです。

聞きて)後輩にはどんなメッセージを伝えましたか。
寺川)僕たちよりも練習して、勝つチームを作ってほしいと伝えました。

聞きて)主将としての1年間を振り返って、今どのように感じていますか。
寺川)自分の目指してきたキャプテンの姿として、もっと練習してる姿を見せて、みんなについてきてもらいたかったのですが、自身のけがで最後の方はあまり練習ができなかったです。1年間どうやってチームを引っ張っていたらいいかなと考えていましたが、みんながついてきてくれてありがたかった。チームを勝たせるのが4年生とキャプテンの役割なので、それができなかったのは心残りです。

(写真:1年間チームを率いた寺川主将)

聞きて)今年の4年生は当初、チームを引っ張っていくことについて課題があったと聞いていますが、成長はありましたか。
寺川)自分たちの学年は、2,3年の時から試合に出場していたメンバーは自分のプレーには集中するけど、それ以外のプレーには興味のない人が多かったのですが、4年生になって皆が大人になったというか、勝たせるために、チーム全体がのびるためになにをすればいいか考えるようになってくれました。

(写真:4年生だけの集合写真)

聞きて)寺川主将は、社会人になってもアメフトを続けますか。
寺川)声をかけていただいているチームはあるのですが、僕は甲子園に行きたいという思いでアメフトをやってきて、社会人でもう一度自分をふるいたたせられるか、さらに、今の怪我が治るかというのもあり、まだ決められていないです。素人から始めましたが、4年間で競技の面白さや楽しさはすごく感じています。

以下は矢野川源監督のインタビュー。

聞きて)最終戦の良かった点と、及ばなかった点は。
矢野川監督)4Qでタッチダウン2本分の差をつけられて、客観的に見ると勝利が遠い状況の中、諦めずに最後まで力が出せたのはよかったし、嬉しかったです。京大QBの泉くんにタックルすることを想定して練習しては来ましたが止められず、やはり力不足でした。悔しい結果で思い通りにならなかった。もう一段階だった。

聞きて)今年のチームを振り返っていかがですか。
矢野川)彼らが3年生のときにはリーダーらしいリーダーがいない状態で、4年生になってチームを引っ張っていけるか不安に思っていました。しかし、そこから主将の寺川を中心にここまでのチームを作って成長してくれたのは嬉しく思います。

聞きて)新チームの課題は何かありますか。
矢野川)次のチームも今の4年と同じ課題がある状態だと思います。今まで4年生に頼って、悪くいえばぶらさがってきた3年生が、チームを引っ張っていけるか。不安な気持ちもあるが、頑張ってほしいという期待の気持ちもあります。

(写真:選手に指示を送る矢野川監督)

《関西学生アメリカンフットボールリーグDIV1 第6節神戸大対京大 @MKタクシーフィールドエキスポ》
京都大14 0 7 10|31
神戸大 7 3 7  7|24

今季の神戸大の全成績。
▽第一節 9月2日(金)32-6 vs近大 @MKタクシーフィールドエキスポ。
▽第二節 9月17日(土)10-44 vs関大 @MKタクシーフィールドエキスポ。
▽第三節 10月1日(土)21-58 vs立命大 @MKタクシーフィールドエキスポ。
▽第四節 10月15日(土)0-29 vs関学大 @王子スタジアム。
▽第五節 10月29日(土)14-0 vs甲南大 @王子スタジアム。
▽第六節 11月12日(土)24-31 vs京大 @MKタクシーフィールドエキスポ。
▽第七節 11月26日(土)1-0(不戦勝) vs同大 @万博記念競技場。

 リーグ戦は、優勝チームが全日本大学選手権に進み、12月18日(日)に行われる決勝の「甲子園ボウル」を目指す。下位2チームがDIV2との入れ替え戦に出場する。なお、9月9日付で入替戦を含むリーグ戦残り試合を辞退した同大は、0勝7敗での最下位と、2部降格が決定している。

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