12月25日、ポートピアホテルで神戸大創立120周年記念式典が行われた。第一部では藤澤学長や神戸市長、海外協定校などからの祝辞、また学生のビデオメッセージが紹介された。第二部では経済法が専門で名誉教授の根岸哲さん、ノーベル賞を受賞した山中伸弥さんが講演を行った。<笠本菜々美、奥田百合子>
神戸大学は、1902年に官立の「神戸高等商業学校」として設置された。兵庫県内初の高等教育機関で、校舎は神戸市葺合町筒井村(現・神戸市中央区野崎通)に置かれた。
12月25日、神戸市中央区のポートピアホテルで神戸大創立120周年記念式典が行われた。歴代神戸大学長をはじめとする神戸大関係者、また一般社団法人国立大学協会会長の永田恭介さん、久本喜造神戸市長などが来賓として出席した。招待された人のみが参加できたが、一般向けにYoutubeライブで式典の様子が配信された。
第一部は、交響楽団(神大オケ)の演奏する「威風堂々」で幕を開け、120年の歩みを紹介するビデオが上演。続いて藤澤正人学長が祝辞を述べた。藤澤学長は、今後の神戸大が目指す、「知と人を創る異分野共創研究教育グローバル拠点」としての役割を語った。
次に、神戸市長、衆参議員、海外協定校などからの祝辞、また学生のビデオメッセージが紹介された。
ビデオでは、応援団総部吹奏楽部の演奏で、混声合唱団アポロン、混声合唱団エルデ、グリークラブが学歌を斉唱。また、応援団の演舞や、神戸大生が作り上げた「120」の人文字が披露された。
第二部では、名誉教授で経済法が専門の根岸哲さんと、神戸大医学部医学科OBで2012年にノーベル生理学・医学賞を受賞した山中伸弥さんが講演を行った。根岸さんは、「経済法の課題は経済社会の変化に伴い次々と登場し、尽きることがない。今日、競争と独占に関わる経済法に求められているのは、多面市場において強力なネットワークを用いて、寡占化・独占化を強めている巨大プラットフォームのグーグル、アップルなどの規制対応だ。また、グリーン化社会の実現に対する規制対応も求められている。」と、人文・人間科学や生命医学などのさまざまな学問を総動員する必要性を訴え、今後の経済法の発展に期待を寄せた。
続いて講演した山中さんは、「当時は不治の病であったC型肝炎ウイルスで亡くなった父の影響で医学の道を志した。研究の力で病気を克服するということが、われわれ医学研究者の共通の目標だ。また、AIを主とした大きな変化が起こる中で、神戸大が、現代において必要不可欠なしなやかさを持つ人材を育成してほしい。」と話し、ときおりユーモアも交えながら自身の経歴や若者への期待の言葉を語った。また、IPS細胞の医療応用や特殊な免疫タイプをもつ人からIPS細胞をあらかじめ貯蓄しておくことで、日本の人口の約40パーセントをカバーすることに成功したストックプロジェクトなどの紹介があった。
最後には「ひとりひとりが輝く未来に向けて」というテーマのもと、現役職員、学生によるメッセージ発表が行われた。
了
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