震災28年慰霊献花式 参列者のことば【後半】

 阪神・淡路大震災から28年。当時から神戸大学に勤務していた人をはじめ、様々な形で震災に巻き込まれた人、震災に関心を持った人たちもキャンパスの慰霊碑に花を供えた。後編では大学職員や市民の言葉を掲載する。<献花式取材班> 

大学職員の皆さんからのコメント

▽正司健一さん(67歳)
神戸大学名誉教授

「震災発生時も神戸大に勤務していた。六甲アイランドに住んでいたため、震災直後は橋が崩れて大学に来られなかった。卒論提出の間近であり、神戸に残って取り組んでいた学生が大勢被害に遭われたことを覚えています。」

(写真:取材を受ける正司さん)

▽千田真也さん

 神戸大農学部教務学生掛 「震災のときは、小学生で大阪にいた。神戸大の学生や職員も亡くなられたということで、献花にきました。」

▽大村直人さん(60)、木戸良明さん(63)、吉田潔さん(59)

 大学役員

大村さん「献花式に来ると、やはり当時のことを思い出す。震災当時は助手をしていたが、学生の安否が確認できなくて大変だった。電話したり、職員で手分けして下宿周辺のいろんな避難所に行ったりしました。」

木戸さん「阪神淡路大震災は限定的な地域で被害があったから、他県からの支援がありがたかった。電気の供給が止まっていて信号はなくても、何とか秩序を保って交通が成り立っていたのには驚いた。」

吉田さん「震災当時は東京に住んでいたので、最初はニュースで見て『ちょっとした地震かな』と思ったが、高速道路の倒壊をみてただごとじゃないと感じたのを覚えている。」

▽岡田修一さん

放送大学勤務 神戸大学名誉教授 

「発達科学部で上野志乃さんを教えていた。お父さんのお話も2回くらい聞いたことがある。卒業できなかったのが残念です。」

▽橋野知子さん (54歳) 

神戸大学経済学研究科教授

「被害に遭われた魂が安らかに眠れるように、という思いです。震災で亡くなった白木健介君を記念して経済学部の卒論に賞が与えられるようになったという経緯もあって、献花式に参列しました。」

(写真:取材を受ける橋野さん)

▽神大職員

「当時は、神大で震災で被害を受けた人の見舞金を出す仕事をしていた。大学でやっているのでいくべきだと思ってきた。震災当時のことは鮮明に覚えている。二度と起こってほしくない、びっくりした。」

▽赤松朋広さん 

神戸大職員

「去年まで献花式を担当していた。毎年仕事で関わっていたこともあり、来た。震災のときも職員をしていた。震災当日は出勤できなかった。携帯も今ほど普及していなかったので、職場の人が無事かどうかもわからなかった。」

▽奥村弘さん 

神戸大学大学院人文学研究科長

「震災のときも、神戸大の教員だった。震災はやっぱり大変だった。六甲台キャンパスから見渡せる神戸の街の景色だが、震災が起こってから5年は建物の屋根がブルーシートに覆われていて、全く違う光景だった。」

▽高田義弘さん

 国際人間科学部准教授

「震災の時、発達科学部で助手を務めていた。学科の学生や応援団長の高見秀樹さんなど関わりのある学生が亡くなった。何もできなくて悔しかった。あと5年したら神戸大から震災を経験した教員がいなくなるので語り継いでいってほしいです。」

その他の皆さんのコメント

▽藤室玲治さん

 福島大学特任准教授、被災地に学ぶ会代表、神戸大OB。

「震災のときは大学2年生で、(当時応援団長だったが、震災で亡くなった)高見秀樹さんのことも知っていた。自分と同じ世代の人が亡くなって…震災はずいぶん前の出来事のような、でも昨日の出来事のような気がします。」

▽津村知世さん(83歳)

「篠原台から来た。遺族ではないけど、皆さんの死を無駄にしないでほしい、という気持ちで毎回(慰霊碑に)手を合わせています。震災当時は市民病院に勤めていて、怪我人や亡くなった人が運び込まれて大変だったことを今でも覚えています。」

▽碓井和貴さん
神戸大学生震災救援隊OB。

「自分は震災で、生き埋めになったが助かった。おじは亡くなり、東遊園地に名前が刻まれている。震災を『風化させない』というが、風化してしまうからそういう表現があって、抗っているのだと思う。こういうときにみんなが震災のことを思い出していただけることがありがたい。また来られるときは慰霊碑に来たい。」

(写真:取材を受ける碓井さん)

▽野村真弓さん(49歳)

 ご遺族の上野政志さんの元・教え子。

「上野さんのことはメディアでもよく見ていました。同じ小学校の友人と「先生がテレビに出ていたよ」という話になった。私としては、震災から生き残った罪悪感から中々連絡ができなかった。しかし、友人の後押しがあって、「志乃さんのことをわすれていない」と示すために連絡しました。」

▽神戸大生の保護者夫婦

「東京から旅行できた。せっかくなので慰霊碑に来た。」

▽瀧本善斗さん

ニュースネット委員会元編集長

「毎年来させてもらっているので、来年も状況が許せばまた来たい。」

(写真:取材を受ける瀧本さん)

▽神戸大工学部1年生の息子さんをもつ母親

「大学広報のツイッターで見つけて、息子の入学を機に献花式に来ることを決めました。私自身も通っていた大学が全壊するなど被災したので、献花すると当時のことを思い出す。お子さんを亡くされた親御さんがどれほど辛いか、今だからこそ分かります。」

▽チョンマンチョルさん

 韓国・青雲大学社会サービス学部社会的企業学科教授

「1996年から2002年まで神戸大の大学院に留学していました。一昨日、韓国から当時の先生に会うために来日した。今日で阪神・淡路大震災から28年になるので慰霊碑に立ち寄った。神戸大に入学した1996年は三宮の崩れた建物や亡くなった学生が多くいたことが印象に残っている。」

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