4年ぶり通常通りの学位記授与式 3712人が卒業

 
 3月24日、神戸大の卒業式が、ワールド記念ホールで行われた。学部2552人、大学院修了者1112人、専門職学位課程修了者48人が無事卒業した。昨年までの卒業式に比べて、新型コロナウイルスによる制限が大幅に緩和され、卒業生は席の間隔を空けずに着席した。また、保護者の参列が可能になった。藤澤正人学長は式辞で、「人生をどう生きていくか、何を成し遂げたいのか、何を大切にしていくかをしっかりと考え、輝きを増していってください。」と卒業生たちにエールを送った。卒業生代表は「授業やサークル活動が思うようにできず孤独を感じる時期もありましたが、辛い時期を乗り越えられたのは互いに支え合い、励ましあった家族や友人の存在があったからです。」と感謝の気持ちを述べた。式の模様はオンラインでも配信された。<塚本光・本多真幸・尾畑陽貴>

(写真:式に参加する卒業生。間隔をあけずに着席した。2023年3月24日10時32分、ワールド記念ホールで撮影。)

▼YouTube神戸大学公式チャンネル「神戸大学令和4年度学位記授与式」=
https://youtube.com/live/dy4FjKP6CBg?feature=share

 3月24日、令和4年度の学位記授与式(卒業式)が神戸市中央区の神戸ポートアイランドホール「ワールド記念ホール」で行われた。式の模様はオンラインでも配信された。
 春の訪れを感じる暖かい晴天の朝、式の開始前に、会場の内外では写真撮影や談笑を行う多くの卒業生の姿が見られた。
 令和4年度(2022年度)の学部卒業生は2552人、修士課程・博士課程前期課程の修了者は1112人、専門職学位課程の修了者は48人。大学院修了生は総代と各専攻の代表者2人のみが参加した。
 新型コロナウイルスによる制限が昨年までの卒業式に比べて大幅に緩和され、マスクの着用は個人の判断に任せられ、親などは1人だけ参列できた。卒業生は間隔をあけずに着席した。

 式の初めでは、12学部と15研究科の代表に学長から学位記(卒業証書)が授与された。

(写真:藤澤学長から学位記を受領する法学部の総代。10時35分)

 藤澤正人学長は、式辞の冒頭で「困難な状況(コロナ禍)を克服し、今日、無事にご卒業されることになりました皆さんに心から賛辞を送ります。」と、卒業生の健闘を讃えた。
 また、卒業生に対し、「やり遂げたい目標に向かって、しっかりと方向を定め、その達成を目指して最後まであきらめず、情熱と執念をもってやり抜いてください。危険を冒して前へ進もうとしない人、未知の世界を旅しようとしない人には、人生は、ごくわずかな景色しか見せてくれません。多少のリスクはあっても進めば進むほどに新たな未知の挑戦が始まり、それを乗り越えることによって、新たな景色が見え、さらなる挑きると思います。時には、自分が逆境に置かれることがあるかもネガティブにとらえず、むしろ貴重な機会であると考え、それを乗り越えて活躍していってください。」とエールを送った。

(写真:式辞を述べる藤澤学長。11時17分)

 来賓祝辞として、神戸大学校友会の坂井信也会長が「厳しい状況の中で人として何ができたか、何をしなければいけなかったかを考え抜くことが大切です。社会に出ても神戸大学のネットワークを頼って下さい。いつまでも皆さんの背中を見守っています。」と、卒業生を激励した。

(写真:来賓祝辞を述べる、坂井信也神戸大学学友会会長。11時28分)

 卒業生代表の藤岡明日香さん(農学部)は答辞で、「時の流れは早く神戸大学に入学してからの4年間は瞬く間に過ぎてしまいました。」と学生生活を振り返り、「コロナの影響で授業やサークル活動が思うようにできず孤独を感じる時期もありましたが、辛い時期を乗り越えられたのは互いに支え合い、励ましあった家族や友人の存在があったからです。」と、仲間や家族への感謝も述べた。

(写真:卒業生代表で答辞を読み上げる、農学部総代の藤岡さん。11時34分)

 大学院修了生代表の大田康平さん(医学研究科)は、「学問の世界は想像していたよりもはるかに広く奥深いものであると実感したとともに学ぶことの喜びを知りました。この先の人生がどのようになるか不安もありますが、神戸大学で得た経験と学んだ姿勢を活かし、社会課題の解決に貢献していくことが自らの使命であると認識しております。」と述べた。

(写真:大学院修了生代表として答辞を読み上げる、医学研究科総代の大田康平さん。11時39分)

 式の最後に応援団がエールを送り、会場は拍手に包まれる中、式は幕を閉じた。

(写真:卒業生へエールを送る神戸大学応援団総部応援団の田代浩也団長(法3年)。11時42分)

 昨年までエールを送る側だった、応援団の古田徳幸前団長と山崎勝生前副団長は、「あっという間の4年間だった。やっと肩の荷が降りて卒業式を純粋に楽しめる。(後輩のみなさんは、)いろんなことに挑戦してください!」と、応援団らしく、最後は後輩にエールを送った。
 4年間クイズ研究会に所属した学生(理学部)は、「後悔などあろうはずもありません。最高同期と最高後輩に囲まれたいいサークル人生でした。」と、晴れやかな顔で語った。
 経営学部の卒業生は、「卒業できてホッとしている。学業ではゼミが特に大変だった。コロナ禍で旅行や飲み会が制限されたことも辛かった。これから社会人になるにあたり、計画的に行動することを心がけたい。」と、社会人への抱負を語った。
 タッチフットボール部に所属していた国際人間科学部の卒業生は、「4年間は早かったと感じている。部活でプレー面だけでなくチームのあり方を模索した幹部時代は大変だったが、やりきった達成感もある。学童を育てるという夢を叶えられるよう、卒業してからも頑張りたい。」と夢を語った。

《令和4年度 神戸大学卒業者・修了者数》
 文学部     108人
 国際文化学部    1人
 発達科学部     4人
 国際人間科学部 346人

 法学部     200人
 経済学部    265人
 経営学部    271人

 理学部     171人
 医学部     266人
 工学部     568人
 農学部     168人
 海事科学部   184人

修士課程・博士課程前期課程・専門職学位課程
 人文学研究科       37人
 国際文化学研究科     42人
 人間発達環境学究科    79人
 法学研究科        20人
 経済学研究科       53人
 経営学研究科       42人
 理学研究科        95人
 医学研究科        13人
 保健学研究科       59人
 工学研究科       319人
 システム情報学研究科   74人
 農学研究科       122人
 海事科学研究科      79人
 国際協力研究科      32人
 科学技術イノベーション研究科 46人
専門職学位課程    
 法学研究科(法科大学院)48人
 経営学研究科       0人

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