神戸大学海事科学研究科は、最も小さいクジラ類の一種であるスナメリに関する調査・研究への寄付を募るため、クラウドファンディングを実施している。目標金額は300万円で、支援枠の最低額は3000円+システム利用料(220円)。期間は8月31日(木)まで。資金は、大阪湾でのスナメリの目視調査や環境DNA分析、水中マイク設置などに使われる。<川﨑成真>
(画像:クラウドファンディンググロジェクトのサイト スクリーンショット)
スナメリは、灰色をした体長1.5メートルほどの背びれのない小さなイルカで、大阪湾など日本周辺の海にも生息している。1970年代~2000年の間には人間による環境破壊によって数が激減したと言われ、現在は絶滅危惧種に指定されている。しかし、具体的な調査・研究や保全活動はこれまで行われてこなかった。このクラウドファンディングでは、スナメリの調査・研究を行うことでスナメリの保全を進め、海洋生態系の保全や生物多様性の維持へとつなげることを狙う。
加えて、スナメリが人間活動の影響で減少している原因の一つとして、そもそも大阪湾にスナメリが生息している事実があまり知られていない可能性が挙げられる。そこで、今回のプロジェクトを通じ、大阪湾のスナメリについて広く周知することも図る。
このクラウドファンディングは、7月3日(月)から8月31日(木)まで実施される。目標金額は300万円で、支援枠の最低額は3000円+システム利用料(220円)。7月14日現在、125万5000円が集まっている。集まった資金は、大阪湾のスナメリの分布調査や食性調査などに使用される予定だ。
プロジェクトを支援すると、支援者全員に感謝のメールが送られる。また、支援金額によっては、スナメリのステッカーやスナメリ調査動画・写真の視聴、スナメリ調査隊への参加などのリターンも用意されている。
プロジェクトメンバーである海事科学研究科の岩田高志助教授は、「野生動物と海の環境保全を目指した調査研究は、研究者だけではなく、地域に住む人たちにも興味を持ってもらいながら、協働して計画的に進めることが理想的だと考えている」とコメントしている。
《「スナメリの未来を救え!大阪湾で生きるスナメリが人と共存するために」》
●実行者=岩田高志(神戸大学大学院海事科学研究科)
●目標金額=300万円。
●形式=寄付型/All or Nothing 。
※All or Nothing形式とは、期間内に集まった寄付総額が目標金額に到達した場合にのみ、実行者が支援金を受け取ることができる仕組み。募集終了日までに目標金額に到達しなかった場合、寄付金は返金される。
●公開期間=2023年7月3日(月)~8月31日(木)。●スケジュール=2023年10月~2025年11月:大阪湾でのスナメリの目視調査、環境DNA分析と食性分析、小型記録計装着と回収、水中マイク設置、データ解析を行う。●資金使途=大阪湾でのスナメリの調査研究費(調査用の傭船費・燃料費、DNA分析費など)。●案内サイト=https://readyfor.jp/projects/sunameri。
了
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