硬式野球部、伝統の神京戦 1年生が好投も完封負け

 8月25日、神戸大と京都大の硬式野球部伝統の定期戦、第48回神京戦が京都市左京区の京都大学吉田グラウンドで行われた。昨年はサヨナラ負けを喫しており、今回こそは勝利し、9月からのリーグ戦へ弾みをつけたいところだった。しかし、京都大に先制を許し、リードを最後まで守り切られて0-2で敗北。昨年に続く2連敗で、通算成績を神戸大の27勝20敗1分とした。神戸大は、先発の早﨑が5回1失点と1年生ながら好投したが、打線はチャンスであと1打が出なかった。<尾畑陽貴、本多真幸>

 1971年(昭和46年)に第1回の神京戦が開催されて以来、神戸大の戦績は27勝19敗1分だ。昨年は6-7でサヨナラ負けを喫し、2015年~2020まで続いた6連勝の記録が止まってしまった。そのため神戸大は今年こそ白星を上げ、9月から始まる秋リーグへの弾みをつけたいところだった。

 今回の神京戦は神戸大の主催で、神戸大六甲台第1キャンパスのグラウンドで行われる予定だったが、大学院の入学試験があると後から連絡を受けて使用不可能に。京都大にグラウンドを貸してもらうことで、なんとか開催にこぎつけることができた。
 開会式で挨拶した神戸大の渡辺文明会長は、会場変更や前日の雨によるグラウンド不良で開催が危ぶまれていた中、グラウンドを準備してくれた京都大に感謝するとともに、全身全霊を込めてプレーするよう両陣を励ました。優勝旗返還、選手宣誓ののちには、両大学の応援団がエールを交換した。神戸大の応援団はレフト側のフェンスの裏で演奏と演舞を行い、試合を盛大に盛り上げた。

(写真:開会式の選手宣誓。写真中央が駒寿主将。写真右側が渡辺OB会長 2023年8月25日 12:00ごろ 京都市左京区の京都大学吉田グラウンドで)
(写真:レフト側フェンスの裏からエールを送る、神戸大応援団総部の応援団と吹奏楽部 2023年8月25日15:00ごろ)

 神戸大の先発は早﨑輝(済1年)。1年ながらチームの期待を背負ってマウンドに立った。1回表の京都大の攻撃。いきなり連続での出塁を許し、無死一二塁となる。アウトを2つ加えて2死一三塁とするも、サードのエラーで京都大が1点を先制する。
 初回に先制した京都大に対し、神戸大の打線は抑え込まれ、打者が出塁してもあと一打が放てない。3回裏の神戸大の攻撃。先頭打者の8番駒寿諒真(国人4年)がレフト方向に引っ張る二塁打を放つ。9番増田幹太(国人3年)も出塁し、無死一二塁。ここで1番太田薫(海政3年)が犠牲バントで一死二三塁にチャンスを広げ、2番荻根澤司(国人3年)の右飛で駒寿がタッチアップ。ホームを狙うが鋭い返球に阻まれて3アウトとなる。
 4回裏にも2死二三塁となり、神戸大に一打逆転の好機が訪れるが、7番梶川耕平(工4年)は右飛に倒れる。

 先発の早﨑は初回に先制を許して以来、四球などでランナーを出しながらも要所で打ち込まれること無く、5回1失点の好投で2番手の中尾公紀(海事4年)と交代した。投手の頑張りに打線も応えたいところではあったが、中盤以降も神戸大の打線は抑え込まれてしまった。

(写真:5回表の投球を終えてベンチに戻る早﨑)

 7回表、京都大の攻撃。中尾に代わってマウンドには神戸大のエース、林大貴(海事4年)が立つ。先頭打者にレフト越えの二塁打を打たれ、進塁打で1死三塁。続く打者の1ゴロの間に三塁ランナーが生還し、京都大に追加点を許してしまう(神戸大0-2京都大)。
 8回裏、神戸大に最後のチャンスが訪れる。1死から3番日下凌(済3年)が中安打を放つ。アウトが1つ加わり2死となるが、二盗とワイルドピッチをついた進塁で日下は3塁まで進む。得点のチャンスだったが、5番牧直希(法4年)の当たりは右飛。この回も無得点に終わった。

(写真:8回裏2死三塁、右飛に倒れる牧(右))

 最終回は両チーム無得点で、0-2で京都大の勝利。神戸大は神京戦で昨年に続く連敗を喫し、通算成績を神戸大の27勝20敗1分とした。

 以下は監督と主将、渡辺文明OB会長のコメント
中井明則監督:「初回しっかり守れなかったことと、チャンスで自分のスイングができず、あと1本が打てなかったことから、今回のような負けパターンに陥ってしまった。早﨑は1年生なんですけど立派に堂々と、物怖じせず投げてくれたので十二分に合格だと思います。今はまさにタイムリーが出ず、苦しみもがいている状況なので、リーグ戦では流れが変わると信じて、今までの努力を継続していきたい。」

駒寿主将:「チャンスメークではヒットが出たが、やはりチャンスで1本が出なかった。チームの課題がもろに出た試合だと思う。バッティング技術や振る力を貪欲に追及する一方で、メンタル的な部分の強化も進めて、秋リーグまでの残り1週間を取り組んでいきたい。早﨑に関してはナイスピッチングだと思う。下級生の頑張りには、打線と守備で応えて支えていかなければならない。」

渡辺文明OB会長(1976年卒):「(今回のように)ランナーは出るがここぞというところでヒットが出ない、という試合が続いていると監督から聞いているので、リーグ戦で引きずらないようにしてほしい。ピッチャーはいい球を投げていた。試合は四球やエラーで決まることが多いので、打てなくても、しっかりと守って失点を防ぐというのが大事になると思う。」

≪第48回神京戦@京都大吉田グラウンド≫
京都大 100 000 100|2
神戸大 000 000 000|0

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