関西学生アメリカンフットボールリーグのDiv.1(1部)が9月1日(金)に開幕する。3日(日)に行われる神戸大アメフト部レイバンズの初戦は、リーグ優勝12回、甲子園ボウル優勝8回の実績を持つ強豪の立命館大が相手だ。早くも優勝候補の一角と激突する初戦を前に、DL(ディフェンスライン)の白坂俊樹主将(国人4年)に意気込みをインタビュー。目標の日本一に向けてこの夏は、チーム全体に「勝ちたい」気持ちを浸透させようと、選手1人1人にやるべきことを考えさせてきたという。<本多真幸>
(写真:アメフト部レイバンズの白坂俊樹主将。2023年8月27日、神戸大鶴甲第1キャンパスにある、レイバンズのクラブハウスで)
貪欲になること
聞きて)チームのスローガンである「BE GREEDY」とは、どのような意味でしょうか。
白坂主将)レイバンズが日本一のチームになるための行動指針は、「当たり前のことを当たり前にする」ことを土台として、「勝負にこだわる」、「成長を楽しむ」、「貪欲になる」の3つが立つ構造になっています。全ての方針に一番当てはまるものとして「貪欲になる」ことを掲げて、レベルを高めていこうということです
目標の日本一へ 強みは主体性
聞きて)チームの目標は。
白坂)日本一です。そのために、初戦の相手であり、リーグ内でも、個々の選手の力もチーム力もある立命館大を倒すことに重きを置いて、今練習しています。
聞きて)他の強豪チームにも負けていない、レイバンズの強みはなんでしょうか。
白坂)主体性です。特に今年のチームは、4回生が基礎を作って、2、3回生さらに1回生にも主体的に行動できる人が多いです。
強豪校と違って、監督やコーチが土日しか来られないため、日ごろから選手同士で行動を律し、指摘の声を掛け合って練習の精度を高めないといけません。そのような環境の中で、自然と主体性が生まれていると思います。今年は、その主体性を武器にできると思います。
聞きて)白坂主将個人として、リーグ戦にかける思いを教えてください。
白坂)4年間いろいろなことがありました。1回生の時はコロナ禍でろくに練習できませんでしたが、2、3、4回生と練習して積み上げてきた技術を、全て出し切りたいです。
さらに、主将として一番熱くがむしゃらに戦います。1対1で負けることがあったとしても、めげずに目の前の相手に向かっていく姿勢を出し続けていきたいです。
「勝ちたい」気持ちがチームに浸透 具体的行動へ落とし込む
聞きて)主将として苦労したことは何でしょうか。
白坂)日本一を目指すために勝ちたいという気持ちを、関西リーグで一番持てているか、すごく自問自答しました。勝ちたいという思いは強いのですが、思うだけではダメです。具体的にどう行動すれば目標を達成できるのか、毎日悩む日々が続いていました。
聞きて)この夏の練習では、どのようなことを意識していましたか。
白坂)春シーズン最後の(、逆転負けを喫した6月の)京大戦の後に、矢野川監督から「4回生のリーダーシップがまだまだ足りていない」と指摘をいただいて、先ほども述べましたが、目標のために何をすべきか具体的に落とし込めていなかったという反省が出ました。
そこで、「勝ちたい」という気持ちを、チーム全体に浸透させることにこだわりました。実際に8月に行った夏合宿では、どのように練習すれば初戦の立命館大に勝てるかを、選手1人1人に考えさせて、行動させました。
聞きて)その合宿を終えてリーグ戦が迫る中で、チームの完成度はどうでしょうか。
白坂)まだ完成とは言えず、開幕までの残り1週間で詰めていきます。ただ、ここ1週間は雷雨で練習ができておらず。合宿で培った精度や気持ちの部分が消えてしまっていないかどうか不安に感じています。ハードな合宿を乗り越えたときにメンバーが見せた、「やってくれるんじゃないか」と期待を持てるような顔つきが失われてはいないかと。残りの一週間でその自信を思い出させたいです。
キーマンの3年生QB「ボールに託された、みんなの思いを力に戦う」
聞きて)リーグ戦のキーマンを挙げるとしたらどの選手でしょうか。
白坂)4回生全員はもちろんのこと、QB(クォーターバック)の榮大志(国人3年)です。3回生ながらプレー中はもちろん、プレー外の行動でも模範となる、チームの中枢の1人です。オフェンスを引っ張るQBとして、基本的にコーチと4回生で行われるミーティングに参加して主体的に意見を出したり、クラブハウスの掃除を率先して行ってくれたりして、チームを運営するうえでとても助かっています。
聞きて)応援団やファンに向けてメッセージをお願いします。
白坂)今年はコロナが明けて、応援団やファンの皆さんがスタジアムに来て応援してくれる機会が本当に増え、(コロナ禍入学の)4回生にとっても初めての経験で、暖かい声援をもらっています。特に春シーズン4月の龍谷大戦では、学校をあげて応援してくださいました。アメフト部のOB会や父兄会からも、様々な支援をいただいておりとても感謝しています。一番の恩返しは勝利でしかないので、必ず勝ちます。
ニュースネットは、白坂主将にキーマンとして挙げられたQB榮大志(国人3年)にも、意気込みを聞いた。榮は、「正確なパスで、オフェンスを引っ張っていきたいです。QBはオフェンスで唯一、毎プレーでボールを持つポジションです。そのボールには、選手やスタッフ、応援してくれる人の思いと夢が託されていると思っているので、その責任感を力に変えて戦います」と力強く話した。
(写真:QBとしてオフェンスを引っ張る榮大志。2023年8月27日、鶴甲第1キャンパスにある、レイバンズのクラブハウスで)
大学日本一決める「甲子園ボウル」への道のり
2023年の関西学生アメリカンフットボールリーグDiv.1(1部)は、9月1日(金)に開幕する。レイバンズの初戦の相手はリーグ優勝12回、全日本優勝8回の実績を持つ強豪の立命大で、9月3日(日)にMKタクシーフィールドエキスポ(大阪府吹田市)で16時20分キックオフ。
リーグ戦は、8チームによる1回戦総当たり形式だ。優勝チームは、12月3日(日)に福岡県で行われる全日本大学選手権の準決勝に関西代表として出場する。勝利すれば、12月17日(日)に阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)で行われる、決勝の「甲子園ボウル」へと駒を進める。7位、8位のチームは2部1位、2位との入替戦に出場する。
初戦の立命大のほか、関大、そして甲子園ボウル5連覇中の関学大といった、強豪私学から勝利をもぎ取り、史上初の日本一を掴み取りたい。
前売の電子チケットは、チケットストア『KCAFL TICKET STORE』で1300円で購入でき、当日券は試合会場で1500円で購入できる。発売期間は8月25日(金)12:00から~12月16日(土)17:00まで。
▽『KCAFL TICKET STORE』=
https://kcafl-ticket-store.moala.live/
▽レイバンズのチーム券購入サイト=
https://kcafl-ticket-store.moala.live/collections/kobe-university
(インタビューは8月27日に行ったものです)
《2023関西学生アメリカンフットボールリーグDiv.1 神戸大の試合予定》
第一節 9月 3日(日)16:20 vs立命館大学 @MK TAXI FIELD EXPO
第二節 9月17日(日)12:10 vs京都大学 @王子スタジアム
第三節 9月30日(土)14:50 vs関西学院大学 @王子スタジアム
第四節 10月15日(日)12:10 vs関西大学 @王子スタジアム
第五節 10月28日(土)17:30 vs龍谷大学 @王子スタジアム
第六節 11月11日(土)12:10 vs甲南大学 @ヤンマースタジアム長居
第七節 11月25日(土)12:10 vs近畿大学 @万博記念競技場
※キックオフ時間等変更の可能性あり。
※順位は勝ち点で決定し、勝利チームに3点、引き分けたチームに1点。
※勝ち点が同数の場合は同じ順位だが、順列を以下の方法で決定する。
(1)当該校同士の勝ち点が多い方。
(2)当該校同士の勝ち点が同点の場合、抽選。
了
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。