放火で有罪の学生 2022年から犯行繰り返す

 神戸大敷地内で2022年から器物破損や複数のぼやが起こっていた事件で、学生が有罪判決を受けた。牛乳パックにライターで火を付け、消毒用アルコールをまくなどして雑木林を約81平方メートル焼損したり、理学部のゴミ箱に放火するなどした。事件を受けて使用禁止となっていた屋外ゴミ箱の使用が4月に解禁される。当該学生の処分は未定。<ニュースネット取材班>

(写真:ぼやが報告されたLANSBOX食堂の1階にある女子トイレ。2023年6月26日13時28分撮影)

 神戸大の敷地内で2022年から2023年にかけて複数のぼや騒ぎや器物破損が起こっていた事件で、学生が建造物等以外放火、器物損壊、暴行の罪で1月29日に有罪判決を受け、懲役3年、保護観察付き執行猶予5年(求刑懲役3年)が言い渡された。

 神戸新聞によると、有罪判決を受けたのは大学院生の女だという。被告は2022年1月、学生会館下から本部に抜ける道路に沿った駐輪場付近で、牛乳パックにライターで火を付け、消毒用アルコールをまくなどして草木やフェンスなど約81平方メートルを焼損した。

▽神戸大の敷地内で放火 大学院生の女に執行猶予判決 地裁「身勝手な犯行動機、厳しい非難に値する」
/神戸新聞NEXT(2024年1月29日 22時46分)
https://www.kobe-np.co.jp/news/jiken/202401/0017275323.shtml

 神戸大によると、この事件では雑木林の斜面全体に広がり、設置されていたネットの一部が焼損し、消防車やパトカーが出動する事態になったという。民家が近くにあり被害が学外に及ぶ恐れがあった。

 また2022年6月には、六甲台第2キャンパス理学研究科B棟の東側に設置してあった、プラスチック製のゴミ箱に火がついているのを帰宅途中だった理学研究科の大学院生3人が発見し、消火にあたった。この事件を受けて、神戸大敷地内に設置されていた屋外のゴミ箱が全面利用禁止となり、2023年4月以降も一部のゴミ箱が利用禁止となっている。

 学生支援課によると、今回の判決を受けて、新年度に入る2024年4月以降は現在利用禁止となっているゴミ箱も利用可能になる。

(写真:使用が禁止されている屋外ゴミ箱。2024年2月2日撮影。六甲台第2キャンパス工学部食堂横)

 2023年6月には、六甲台第2キャンパスにあるLANSBOX食堂の1階にある女子トイレで何かが燃えたような跡が発見された。同日の昼頃には、消防隊がキャンパスを訪れて原因を調査した。LANSBOXのトイレでは同年4、5月にも複数のぼやが報告されていた。

 神戸大教育推進機構によると、事件を起こした学生の処分は現時点では未定という。当該学生の所属する学部・研究科の教授会が事実関係を調査し、学長が懲戒処分を決定する。

 また大学の器物を破損した場合、損害賠償を請求されるかどうかは、破損に至った状況・経緯やその規模により異なる。

 学生教育研究災害傷害保険(学研災)の付帯賠償責任保険 (付帯賠責)に加入していれば、一定の条件のもとで、他人にケガをさせたり、他人の財物を損壊したりしたことにより、法律上の損害賠償責任を負担することによって被る損害が補償される。

【学研災付帯賠償責任保険|神戸大サイト】
https://www.kobe-u.ac.jp/campuslife/support/insurance/insurance02.html

【本学学生が有罪判決を受けた事件について|神戸大サイト】
https://www.kobe-u.ac.jp/NEWS/info/2024_01_29_01.html

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