1年間停止中の国人図書館前エレベーター 今年度末に修理完了の予定

 2023年5月から現在まで、鶴甲第1キャンパスにある総合・国際文化学図書館前のエレベーターが停止している。施設部設備課によると、世界的な半導体不足で部品の製造が遅れており、交換工事が滞っているという。今年度までに修理が完了する予定。<蔦旺太朗、奥田百合子、佐藤ちひろ、長瀬福実、熊谷孝太>

(写真:エレベーターボタン横の張り紙。2024年5月15日13時4分撮影)

 総合・国際文化学図書館前のエレベーター付近には張り紙があり、次のように書かれている。

「エレベーター利用者のみなさまへ A棟エレベーターのうち、東側の1台につき、扉の開閉に問題があり、部品交換工事が必要となったため、工事が完了するまで運転停止しております。半導体が不足しており、部品入手困難のため、工事が遅延しております。ご迷惑をおかけし申し訳ございませんが、もう1台のエレベーターもしくは階段をご使用ください。ご理解のほど、よろしくお願いいたします。2024年4月 総合・国際文化学図書館」

 2023年5月、鶴甲第1キャンパスの総合・国際文化学図書館前にあるエレベーター2台のうち、向かって左側の1台に扉の開閉の問題が見つかり、運転が停止された。それ以降、エレベーターは停止されたままだ。施設部設備課によると、世界的な半導体不足で業者による部品の生産が遅れており、修理は来年の3月までに完了する予定だという。

 総合・国際文化学図書館の担当者は「上下振動を改善する部品であるインバーターとエンコーダー、ドアの間に人や物が挟まっているのを感知する部品である光電センサーに不具合が発見された。インバーターとエンコーダーは交換できたが、光電センサーは半導体不足により部品が入手できない」と話した。

 このエレベーターの管理をしているマーキュリーエレベータ(株)の担当者は「神戸大学のエレベーターの点検業務は、2023年4月から引き受けている。弊社が点検業務を引き継いだ時点で調子が悪かったので、4月以前から部品に不具合があったと考えられる。エンコーダー、インバーターは製造元のフジテック(株)が 2024年4月30日に交換を完了させた。光電センサーは業者の入荷の目処が立っておらず、マーキュリーエレベータで修理をする」と話した。

(写真:総合・国際文化学図書館前のエレベーター。2024年5月15日13時5分撮影)

 また、部品製造メーカーの出荷が遅れていることに関して「部品製造メーカーは注文を受けた順番に出荷しているだろう。家電の半導体の供給は復旧しつつあるが、エレベーターの半導体はまだ不足状態で、部品の生産に時間がかかっている。関東にある施設のエレベーターには、2年ほど停止しているものもある」と話した。

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