深江祭が五月晴のもと「進航」 約1300人が来場

 第18回深江祭が、5月25日、26日に神戸大深江キャンパス(神戸市東灘区)で行われた。両日ともに晴天に恵まれ、会場は賑わいを見せた。約1300人が来場し、小さい子どもから大人まで幅広い年齢層の来場者が、乗船体験会や模擬店などの企画を楽しんだ。<熊谷孝太、奥田百合子>

(写真:深江キャンパスの正門。2024年5月26日10時55時分撮影)

 深江祭は元々、海洋政策科学部の前身である神戸商船大学の開学日(5月26日)の前後に行われていた。しかし、コロナの影響で費用の工面が厳しくなり、4年間開催することができなかった。そんな中、海洋政策科学部の学生が発起人となり、昨年10月に4年ぶりの開催が実現した。今年はさらなる進化を目指して「進航」をテーマに、大型クルーザーヨットやカッターボートの体験乗船会、模擬店、ステージ企画、クイズラリーなどが実施された。

リピーターも多い体験乗船会 「海神丸」を望む声も

 深江祭の目玉企画である体験乗船会。乗船所であるポンドで受付を担当していた実行委員の木村さん(海洋政策・4)、沖さん(海洋政策・1)は「(体験乗船は)リピーターが多い。去年乗って良かったからから来たという人や、昨日来た人がまた来たこともあった」と話す。

(写真手前:ポンドから離れるクライナーベルク。2024年5月26日13時5分撮影。深江キャンパスポンド)

 深江祭1日目にはヨットのY30、2日目には大型クルザーヨットのクライナーベルクに乗船したという家族は、「(乗船で)町のことを知れて、知らない船も見られて楽しかった。Y30の方が小さくて、体感的に海を感じた。(クライナーベルクは)安定していて、ゆっくりと海を見られた」と笑顔で語った。

 海洋政策科学部には、多機能練習船「海神丸」がある。体験乗船会に参加した留学生の李さんとベックジュンヒョンさんは「昨日も来たけど、定員で船に乗れなかった。今日は伝馬船に乗る。海神丸の中を見れるなら嬉しいな」と話した。

6つの団体が模擬店を出店 オフショアセーリング部はヨットの修理費募る

 深江キャンパス正門の近くでは、模擬店が複数立ち並んだ。オフショアセーリング部や六甲祭実行委員会、灘チャレンジ実行委員会らが、ホットドッグやたこ焼きなどのさまざまな飲食物を販売した。

(写真:正午になり、続々と来場者が増える模擬店。2024年5月26日11時55分撮影。深江キャンパス2号館前)

 灘チャレンジ実行委員会は、無料でお菓子釣りをできる模擬店を出店した。代表を務める佐藤さん(国人・3)は、「深江祭実行委員会の方から子供が楽しめる出店を、と頼まれた。子どもは(お菓子釣りを)結構真剣にやっている。幼稚園から小学校低学年くらいの子たちが多く来る」と笑った。

 また、揚げパンとかき氷を販売したオフショアセーリング部の野村さん(海洋政策・2)、大友さん(海洋政策・2)は「幅広い年齢層の方が模擬店で購入されている。昨年1月に損傷した部のヨットの修繕に向けた募金への協力も多く、外部の方とのつながりや、部が支えられていることを実感している」と笑顔を見せた。

(写真:オフショアセーリング部の支援金BOX。2024年5月26日12時52分撮影)

海事博物館が臨時開館 企画展「近代日本 船のあゆみ」は5月31日(金)まで

 深江祭開催にあわせ、海事博物館が臨時開館した。企画展と常設展があり、企画展「近代日本 船のあゆみ」は5月31日(金)まで開催している。

 特別専門員の山本さん(神戸商船大1977年卒)は「常設展の目玉は山田早苗コレクションです。第2次世界大戦中に、軍事利用され沈没した商船のコレクションで、神戸高等商船学校の卒業生の多くがこういった船に乗っていた。約1000人の卒業生が、船とともに亡くなった」と話した。

 次の企画展は、戦前の神戸における貨客船をテーマにする予定で、貨客船の航路や利用者などをテーマにした展示を検討中だという。

学術企画では船の機関室を体験

 学術企画では、機関プラントシミュレータが実施された。船の機関室(エンジンルーム)での機械操作などを体験できた。

 運営に携わった小林さん(海洋政策・4)は、「機関室にある機器を正常に動かすというのが機関士の仕事です。パネルなど実際に触れるものがあるので、小さい子も自由に触って楽しんでくれた」と話した。

 企画に参加した高校3年生は、「シミュレータの話をたくさん聞けて、船についてもたくさん知ることができた」と話した。

(写真:シミュレータについて説明を聞く参加者。2024年5月26日14時6分撮影。船舶運航シミュレータ)

深江祭の最後はビンゴ大会 豪華景品も

 講堂では、15時から実行委員会主催のビンゴ大会が行われた。小さい子供から大人まで、幅広い年代の来場者が会場に集まった。景品は、カタログギフトやドライヤー、ハンディファンなどが用意され、リーチの人が前に並ぶにつれて、会場は大いに盛り上がった。

 最初にビンゴした男性は、任天堂のプリペイドカード5000円分を受け取り、壇上で「今日は船に乗って楽しかった。ありがとうございました」と語った。

 海洋政策科学部の子どもをもつ女性は、カタログギフトを受け取った。「子どもが運転するカッターボートに乗船したかったが、抽選に外れてしまった。しかし、まさかのカタログがもらえて嬉しかった」と話した。

(写真:ビンゴ大会の様子。2024年5月26日15時15分撮影。神戸大深江キャンパス講堂)

深江祭復活には卒業生から反響も 来年度開催の鍵は人員集め 

 海洋政策科学部の同窓会・海神会の会長を務める池田さんは、「(深江祭を)一度復活させたからには、続けていかないといけない。企画自体は昨年度よりもレベルアップしたが、今年は準備のスタートが少し遅かった。来年は計画をもう少し早くしたい」と来年に向けた課題を語った。続けて「同窓会やOBからも『深江祭が復活してくれて嬉しい』という言葉が上がっている」と話し、復活には学外からの反響もあるようだ。

 深江祭実行委員会委員長の山室怜大さん(海洋政策・3)は、「海洋政策科学部のOBの方々がたくさん来場され、年十年も前の卒業生もいらっしゃった。同窓会からは厚いご支援をいただいている。今年2月、3月ごろから準備を進めてきたが、時間が足りないと感じる。実行委員会は現在16人で運営しており、人数も少ない。来年も深江祭を開催できるように、1年生と2年生を集めることから頑張りたい」と次回開催に向けて意気込みを語った。

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