故五百籏頭眞先生を偲ぶ会 大学関係者ら別れ惜しむ
- 2024/7/27
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7月27日、「故五百籏頭眞先生を偲ぶ会」が神戸大六甲台第1キャンパスで行われた。式典には、大学関係者や遺族、教え子のほか、兵庫県知事や県内の市長など250人近くが参列。長男の五百旗頭薫さんは参列者へのメッセージとして、「父の希望が日本の希望として実を結ぶようにしたい」と語った。思い出コーナーも設けられ、参列者は名誉教授の遺品を見つつ故人をしのんだ。<ニュースネット取材班>
(写真:献花する参列者ら。神戸大六甲台第1キャンパス出光佐三記念六甲台講堂で。2024年7月27日13時頃)
7月27日、「故五百籏頭眞先生を偲ぶ会」が神戸大六甲台第1キャンパスで行われた。五百籏頭名誉教授は2024年3月6日に80歳で急逝。ひょうご震災記念21世紀研究機構、兵庫県、兵庫県立大、神戸大が会の実行委員会を立ち上げ、式典には、遺族や教え子、大学関係者のほか、兵庫県知事や県内の市長など250人近くが参列。黙祷の後、五百旗頭名誉教授の人生を紹介する映像が流れ、旧友や教え子、同僚からの「追悼のことば」が読まれた。式典中、時折涙ぐむ参列者の様子も見られた。
「追悼のことば」で、故五百旗頭名誉教授の教え子である簑原俊洋教授は、「(自分が神戸大学に)入学してから最大の出来事は阪神・淡路大震災。(1995年)1月17日、先生は大切なゼミ生を、私は大切な同級生を失った。それから夏まではボランティア活動に励む毎日だったが、(五百旗頭)先生と共にこの苦難を乗り越えたことで、先生との距離もぐんと縮まった」と語った。また、自身が学者の道を進むことに決めたエピソードとして、当時米国からの留学生だった蓑原教授が苦労しつつも日本語で修士論文を書き上げた際、「これは通説を覆す画期的な論文だ」「(日本に)残りなよ。学者には夢がある」と五百旗頭名誉教授に声をかけられたという話を紹介した。
(写真:弔辞の前に挨拶をする蓑原教授。2024年7月27日 13時半頃)
五百旗頭名誉教授の長男で、東京大学大学院法学政治学研究科教授の五百旗頭薫さんは、参列者に対するメッセージとして、「父の希望が日本の希望として実を結ぶようにしたい。ビジョンをもつ若者を育てたい。そのために、曇りのない目で現実を認識できるよう学問を発展させたい」と若い世代への思いを語った。
(写真:長男の五百旗頭薫さんが、遺族の挨拶を述べた。2024年7月27日 13時半頃)
会場には、古くから五百旗頭名誉教授を知る人、亡くなる直前まで関係のあった人が集まり、生前の話で故人をしのんだ。
五百旗頭名誉教授が亡くなる前日、名誉教授も含めて4人で会食をしたという藤原敞之さん、宮崎朗さんらは、「信じられない。亡くなる前の日はとてもご機嫌だった。五百旗頭先生には以前、近畿学生野球連盟の会長を引き受けてもらっていた。会食の日も野球の話をしていた」と、突然の訃報に驚き悲しむ様子を見せた。
(写真左から2番目:近畿学生野球連盟が行う大会の始球式でボールを投げる五百旗頭名誉教授。2023年4月2日撮影。提供:近畿学生野球連盟)
五百旗頭名誉教授の3歳上で、中学、高校、大学生活を共にしたという芹田健太郎名誉教授は「ずっと色々なことを一緒にやってきた。テニスを一緒に大学でやったり、互いに震災のことに携わったり。彼(五百旗頭名誉教授)をひょうご震災記念21世紀研究機構の理事長に推薦したが、彼は偉いね」と、故人に労いの言葉をかけた。
キャンパス内のレストラン「さくら」には、五百旗頭名誉教授を悼む「思い出コーナー」が設置された。遺品の原稿を指さしながら、エピソードを話す参列者の様子も見られた。
(写真:故五百旗頭名誉教授の直筆原稿、レストラン「さくら」で。2024年7月27日14時頃)
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【訂正】
本文18行目の記載について、インタビューを行った方のお名前の記載に間違いがありました。お詫びして訂正いたします。(2024年8月1日 編集部)
了
コメント
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五百旗頭眞先生を偲ぶ会取材女性記者へ (芹田・五百旗頭両先生の友人、片山啓より)
岡山大学黒神先生から貴NEWSNETの記事を送ってもらいました。一点、間違いがあります。
APF淡路会議の神戸大学関係者の集いであったと思われる会食に私は出席していません。
片山裕名誉教授だと思います。
以下記事の段落
五百旗頭名誉教授が亡くなる前日、名誉教授も含めて4人で会食をしたという片山啓さん、藤原敞之さん、宮崎朗さんは、(以下略)
ご指摘ありがとうございます。該当部分につきまして、記載を改めましたのでご確認いただけますと幸いです。
誤ったお名前の記載があり、大変申し訳ございません。