大学文書史料室、震災30年の特別展 「亡くなった人々の犠牲を無にしてはいけない」

 10月24日から、特別展「1995.1.17 ―神戸大学震災犠牲者の追憶―」が神戸大百年記念館の1階展示ホールで開催されている。神戸大学大学文書史料室の野邑さんは「ご遺族が自分の子供たちの遺体を発見された時の状況やその時の思いなど、数字では表せないことをご覧いただきたいと思っています」と話した。<蔦旺太朗>

 ホールの壁にはパネルが展示され、神戸大学の学生・教職員47人(旧神戸商船大学の犠牲者6人を含む)のプロフィールが紹介されている。さらに、遺族や友人から語られた当時の状況や体験談、被災地である下宿先の部屋の間取りなどがまとめられている。このパネル展では、神戸大ニュースネット委員会が震災から1年後に編纂した「神戸大学四十四人への追悼手記」、遺族へのインタビュー記事の連載「慰霊碑の向こうに」、そして現在「人と防災未来センター」 (神戸市中央区) で公開されている「震災犠牲者聞き語り調査」の内容を引用している。

(写真:壁に展示されている犠牲者のプロフィールとパネル)

 中央には、震災で犠牲になった神戸大生のワープロや生前に書いた絵本などの遺品、遺族や友人の手記、その他震災に関連したものが展示されている。

(写真:ホール中央に展示された遺品たち)

 神戸大学大学文書史料室室長補佐の野邑理栄子さんは「ご遺族が自分の子供たちの遺体を発見された時の状況やその時の思い、そこに至るまでの心配された気持ちなど、数字では表せないことをご覧いただきたいと思っています」
「犠牲者の方を追悼し、震災の悲惨な実態を知っていただいて命の大切さというものを伝えることを目的としています。そのなかでどのような教訓を得られるかは、展示をご覧いただいた人によって異なると思いますが、亡くなった人々の犠牲を無にしてはいけないという思いがあります。ぜひ犠牲となった神戸大の先輩のことを知っていただければと思います。また、学生だけでなく教職員の方々にもご覧いただきたいと思っています」と話した。

 神戸大附属図書館震災文庫、人と防災未来センター資料室のほか、当委員会も特別展に協力している。

《令和6年度神戸大学史・特別展「1995.1.17 -神戸大学震災犠牲者の追憶-」》
●期間=2024年10月24日(木)から2025年1月31日(金)
    年末年始(12月28日から1月5日)を除く平日のみ開催
10月26日(土)、10月27日(日)、11月9日(土)、11月10日(日)、1月11日(土)、1月12日(日)は特別開催日
●時間=平日 9時30分から17時
(特別開催日は10時から16時 10月26日のみ9時30分から17時)
●場所=神戸大学百年記念館1階展示ホール
●主催=神戸大学大学文書史料室
●協力=神戸大学ニュースネット委員会、神戸大学附属図書館震災文庫、人と防災未来センター資料室 ほか
●料金=無料
●問い合わせ先=神戸大学大学文書史料室(078-803-5035)
●公式サイト=https://lib.kobe-u.ac.jp/archives/12635/

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