1月17日、神戸商船大(現・神戸大海洋政策科学部)の震災犠牲者慰霊碑がある深江キャンパスで阪神・淡路大震災の慰霊献花式が行われた。式には平山勝敏研究科長をはじめとする教職員や一般参列者を合わせて約40人が参列した。研究科長は震災から30年経ったことを踏まえ、「記憶の継承が今後の課題」と語った。<ニュースネット取材班>

(写真:白菊の花が手向けられた慰霊碑。2025年1月17日12時半ごろ、深江キャンパスで)
深江キャンパスで行われた献花式は、震災で犠牲となった神戸大海事科学部の前身である神戸商船大の学生5人(うち留学生1人)、研究員1人の計6人を追悼する。神戸商船大学犠牲者慰霊碑は震災で倒壊した旧神戸商船大の正門の石柱で作られており、亡くなった6人の名前が刻まれている。
式典では、海神丸の汽笛に合わせた黙祷のあと、献花が行われた。平山勝敏研究科長、教職員に続いて一般参列者が花を供え、あわせて40人近くが慰霊碑に手を合わせた。

(写真:黙祷する海事科学研究科の教職員ら)
平山研究科長は阪神・淡路大震災のあった1995年4月に神戸大に着任した。震災後ではあるが、混乱する神戸の様子を鮮明に覚えているという。当時を振り返って「もうあれから30年経ったのかという気持ち」と話した。また、震災から30年経ったことによる変化について、「以前は先生方が退職される際は必ず挨拶で震災の話をしていた。それが次第に減ってきて、だんだん記憶が薄れていっていると感じる。記憶の継承が今後の課題だと思う」と語った。さらに、最近も能登半島地震をはじめ災害が起こっていることについて「天災は避けることができないし、いずれまた来るもの。だからこそ、節目に思い出すのではなく日頃から意識していかないといけない」と語った。

(写真:献花する平山研究科長)
式典に参列した海事科学研究科の教員は「震災当時、助教として勤務していた。震災当日は大阪の自宅で揺れを感じ、ニュースで神戸がすごいことになっているのを知った。震災が起こってから図書館で寝泊まりして対応していたのを思い出す。あっという間に時が経った」と話した。
了
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