7月19日、「起業部FES」が百年記念館で行われ、神戸大生や高校生ら約200人が集まった。トークセッションでは、神戸大卒の起業家やベンチャーキャピタリストが、起業マインドに目覚めたきっかけなどの体験を熱く語った。起業部員11組が、それぞれの提案を競う「ピッチセッション」も行われた。<取材班>

(写真:先輩起業家らのトークセッションでは学生時代の体験が語られた 2025年7月19日午後 神戸大百年記念館六甲ホールで撮影)
「神戸大学起業部FES 2025」が、7月19日午後、神戸大学百年記念館六甲ホールで行われた。会場には、神戸大生、起業関係者や大学関係者だけでなく、高校生ら約200人が集まった。
起業部は2022年5月に創部。スタートアップを目指す学生や大学院生が参加する課外活動。今春4期生33人が入部し、合わせて52人の体制。顧問は産学連携本部の熊野正樹教授で、毎週木曜にブラッシュアップの場がある。10年で30社立ち上げることを目指しているという。
国内外のコンテストに挑戦しながら活動を進めて、これまで全国大会で3年連続で優勝している。同部の前期の活動の集大成がこの「起業部FES」だ。
先輩起業家らが学生時代の体験熱く語る
この日の第1部では、神戸大出身の起業家やVC(ベンチャーキャピタリスト)によるトークセッションが、株式会社Coalis の上原仁さん(営・1998年卒)の進行で行われた。
経営学部から農学部の大学院に進んだという Skyland Ventures株式会社の坂井柊斗さん(農学研究科・2023年卒)。東証で上場の鐘を鳴らすシーンに接して感銘を受け、ベンチャーキャピタリストを志したという。東京に行って、多くの人と出会うことで刺激を受けることも大切だと力説した。
中・高はゲームに没頭していたという SALESCORE株式会社の中内祟人さん(営・2014年卒)は、大学で起業家精神養成ゼミナールに属して、「先輩たちの生き様、かっこよさに刺激を受けた」。大手インターネット関連企業に就職し、ゲームディレクターを経て起業。エンジニアらが同期にいて、仲間に恵まれたともいう。営業に強みがある会社には独特の文化があると気づき、いまの起業にたどりついたと語った。
株式会社TAIANの村田磨理子さん(国文・2014年卒)は、難民問題や国際問題のテーマを求めて国際文化学部に入学。軽音サークルやバイトに打ち込んで“普通の就活”に臨んだ。人材派遣の会社員時代にも学ぶことが多かったといい、今の起業仲間もその時のつながりだという。
最後に、後輩の学生や高校生らへのメッセージを問われ、「ヒリヒリ感やワクワク感を目指してほしい」(坂井さん)、「一緒に挑戦しよう」(中内さん)、「計画的偶発生理論を大切にして、ゴールを決め過ぎずに人生を楽しんで社会を良くしていこう」(村田さん)と、壇上から熱く語りかけた。

(写真:ホールの客席がほぼ埋まった「起業部FES」 起業部のOBや現役部員によるトークセッション 2025年7月19日午後)
「起業部でなにを得たのか」部員らの体験も
起業部のOBや現役部員によるトークセッションでは、「志望の大学に進めず神戸大に入学したが、言い訳せずに自分の人生を切り開く生き方を起業部で見つけた」、「周囲とのレベルの差を感じたが、どんな仲間と最強のチームを作るか、という考えが芽生えた」、「自分を応援する人を見つけることが大切」、「“凡事徹底”の大切さは社会人になってから感じた」、「人と違う生き方上等。面白そうと思った方を選ぶ生き方がある」、「自分の優位性をどう伝えるかの大切さを学んだ」など、同部で何を得たのかを語りあった。

11組の起業部員がアイデアを競う「ピッチセッション」も
第2部では、11組の起業部員が提案するアイデアを競う「ピッチセッション」が行われ、代表者がプレゼンに立った。
大学生指導者や資金支援者などをマッチングし「中学生の部活」を持続可能にする提案や、学生の就活の支えとなるAIの助言者が、本人の自己分析を助け、学生と企業とつなぐ役割に発展させようというプランの提案。個々人の体調に合わせた薬膳スープの粉末を職場に配置するという提案など、11のプレゼンテーションが行われ、7人の審査員が審査に臨んだ。
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起業部は、12月には、第4回の「神戸大学ビジネスコンテスト」を開催する予定だ。
▼神戸大学起業部ウェブサイト=http://www.innov.kobe-u.ac.jp/entre/
(画像下:「起業部FES 2025」のポスター 同部サイトから)

了
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