神戸大チーム「ハイペリオン」 プログラミング競技会で国内3位に

 今年7月に行われた第6回「きぼう」ロボットプログラミング競技会(Kibo Robot Programming Challenge:Kibo-RPC)の日本国内予選大会で、神戸大「Hyperion(ハイペリオン)」が3位となった。惜しくも決勝大会出場とはならなかったが、Hyperionの代表の和田連弥さん(工・4年)とメンバーの劉彩達さん(同)らは、来年も出場をし、優勝を目指すと意気込んでいる。<成瀬 泉>

(写真:第6回「きぼう」ロボットプログラミング競技会で3位を手にしたハイペリオンのメンバー 2025年7月5日 茨城県つくば市千現で ハイペリオン提供)

●国際的なプログラミング競技会

 第6回「きぼう」ロボットプログラミング競技会(Kibo Robot Programming Challenge:Kibo-RPC)の日本国内予選大会が7月5日にJAXA筑波宇宙センターとオンラインのハイブリッド形式で開催された。Kibo-RPCは、国際宇宙ステーション(ISS)の船内で使われるドローンロボットのプログラミングを開発し、問題解決までのスピードと正確性を競う国際的なプログラミング競技会で、各予選大会で優勝した1チームが決勝大会に進出する。2020年の第1回から毎年開催されていて、第6回となる今年は13の国・地域・組織から738チーム、3082人の応募があった。

 この予選大会に、神戸大からプログラミングチームのHyperion(ハイペリオン)が出場し、レギュラー・コースに参加した19チームのうち3位となり、惜しくも決勝大会出場を逃す結果となった。
 優勝は名大・東大の合同チーム「FUNABASHI」、2位は東京理科大の「404 Gravity Not Found」だった。

(写真:ハイペリオンのミーティングの様子 ハイペリオン提供)

●2024年春に設立されたプログラミングチーム

 Hyperionは2024年4月に設立されたプログラミングチームだ。現在は、代表の和田連弥さん(工・4年)を含めた情報知能工学科に所属する4年生の8人によって構成されている。
 和田さんは、Kibo-RPCに参加した理由を「1年生の春休みに臼井英之教授の勧めで『CaNoRock』に参加したり、JAXAの相模原キャンパスの研究室訪問に行ったりして宇宙系に興味を持った。JAXAのインスタでKibo-RPCの存在を知って、『神戸大のプログラミング得意なメンバー集めたら優勝目指せるんじゃね』と思い参加することを決めた」と明かした。

 一方、劉彩達さん(工・4年)は、今年和田さんと同じ研究室になったことをきっかけにHyperionに入ったという。「和田君に一緒にやろうと誘われて、Hyperionに入りKibo-RPCに参加することになった」。最初はあまり乗り気では無かったという。「最初は名前だけで、入るだけのつもりだった。しかしDiscordで他のメンバーが頑張っているのを見て『かっこいい』と感じ、自分もやろうと思った」と話す。

 Hyperion設立当時について「自分はプログラミングが得意じゃなかったので、やりたい、得意なメンバーを集めようと思いいろいろな人を勧誘した。例えば、自分が所属する臼井研究所やレスキューロボットサークル『六甲おろし』でプレゼンをしたり、情報知能学科で得意な仲間を誘ったりした」と振り返る。

(写真:ハイペリオンのメンバー8人 ハイペリオン提供)

●ギリシャ神話の太陽神ハイペリオンから命名

 和田さんはHyperionの名前の由来を「『Hyperion』はギリシャ神話に登場する太陽神の名前に由来し、この名前は『高みを行く者』という意味を持っている。みんなで話し合って、希望のイメージとかっこよさを兼ね備えた名前で良い」と明かした。

 Hyperionは、昨年のKibo-RPCでは7位だった。和田さんは今年のKibo-RPCを振り返って「結果としては優勝に一歩届かずという悔しいものになってしまった。原因は優先順位を上手くつけられず、本来時間をかけるべき場所に時間をかけられなかったこと。スケジュール管理の甘さが招いたことだと思う」と後悔を語る。
  劉さんは「勝つためには何が必要かを考える時間を取れなかったことが良くなかった」という。「でも、チームで一丸となって大きなものを作るという経験ができて良かった。この経験は今にも活きているし、今後も生きていくと思う」とも振り返った。

●さらに高みを目指す8人

「Hyperionの8人全員が優勝という同じ目標に向かって利害関係なしに3か月打ち込めた。社会人になってからではなかなかできない貴重な体験になったと思う」と笑顔で話した。

 和田さんにとって、他のチームとの交流が刺激的だったという。「Kibo-RPCには小学生から大学生までの生徒・学生が参加している。小学生のなかにはとてもレベルの高い子もいて、コンピュータやプログラミングの世界は、年齢が関係していないことを実感する良い機会になった」と話した。

 メンバーたちは来年もKibo-RPC出場を予定している。和田さんは「もちろん、目指すのは優勝、日本一、世界一だ」と意気込む。

 Hyperionは現在メンバーを募集中だ。「技術力に関係なく、少しでもやってみたい・挑戦したいという気持ちがある人にぜひ来てほしい」と微笑んだ。

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