工学部周辺に子連れイノシシ 夜間に出没、大学職員がケガ

 最近、工学部周辺で子連れイノシシ5頭が、複数回目撃されていて、注意が必要だ。10月9日夜には、市バスの本部工学部前バス停付近で大学職員がけがをした。ニュースネットの記者も15日夜に遭遇し、親子連れと思われるイノシシを望遠で撮影した。いずれも出没しているのは夜間で、六甲台第2キャンパスの本部・工学部周辺。<篠原大晴、川﨑成真>

●ニュースネットのカメラが捉えた

(写真:工学会館2階から撮影された親子連れと見られるイノシシ あわせて5頭が確認できる 2025年10月15日19時03分ごろ 撮影:川﨑成真)

 ニュースネットの記者は、帰宅途中の10月15日19時過ぎ、六甲台第2キャンパスのセブン・イレブンのある工学会館付近でイノシシと遭遇。安全な2階にあがって、親子連れと思われるイノシシを撮影した。写真には親イノシシと思われる大きな1頭のまわりに、小さな体格の子イノシシと思われる4頭が写っている。写真を見るかぎる、子イノシシの背中には、はっきりした白い縞模様はない。

 兵庫県森林動物研究センターの専門家によると、イノシシの子どものウリ坊は、基本的に4月から5月に生まれる。茶色い背中に白い縞模様の浮き出た、いわゆる「ウリ坊」の状態でいるのは秋口までで、秋以降はこの模様が消え、親と同じような見た目になる。12月ごろには、体重が20キロほどになるという。

(写真:子イノシシの背中に、はっきりした白い縞模様は確認できない 2025年10月15日19時03分ごろ 撮影:川﨑成真)

●本部工学部前バス停で鉢合わせ 大学職員がケガ

 10月に入って、けが人も出ている。
 大学サイトの掲示板に学生支援課が掲載したメッセージによると、「10月9日木曜日の22時30分ごろ、帰宅途中の大学職員が、市バス36系統の本部工学部前バス停「阪神御影」方面行きバス停付近で、工学部の坂道を駆け上がってきた親1頭、子4頭のウリ坊連れイノシシと鉢合わせとなり、イノシシが向かってきた際に転倒し、膝や顔にケガをした」というもの。
 ニュースネットが15日水曜日19時すぎに撮影した子連れイノシシのグループと、“家族形態”は一致している。

 同課は、10日の16時過ぎに大学サイトの掲示板に注意喚起のメッセージを掲載し、「子連れのイノシシは警戒心が強いため、見かけたら決して近づくことのないよう注意してください」とコメントしている。

(画像:大学公式サイトの掲示板に10月10日にアップされた「注意喚起」)

●両足を噛まれて大けがをした事例も

 一見、かわいいウリ坊だが、大きな危険が潜んでいると専門家は指摘する。基本的には、ウリ坊の近くには必ず母親がいるからだ。
 2021年にニュースネットが兵庫県森林動物研究センターの石川修司専門員(当時)に取材した際には、「神戸大周辺のイノシシは人慣れしているし、人を怖がらずに接近してくることがある。かわいいと思って近づくと親の逆襲を受ける事になるので、とにかく近づかない方がいい」とコメントしている。

 2014年6月下旬には、神戸市中央区で女子中学生がイノシシに襲われ、その現場を取材していたテレビカメラマンに執ように襲いかかり、カメラマンは両足を噛まれて大けがをした。
 この様子は、他局のテレビカメラに収められ、その生々しい状況はYouTubeに投稿されている。

(地図下:イノシシの出没した地点。今回は、いずれも六甲台第2キャンパスの本部・工学部周辺だ)

▼関連記事=「工学部周辺に子連れイノシシ 夜間に出没、大学職員がケガ」(2025年10月15日)
▼関連記事=「部室棟が荒らされたことも カツコツと足早に歩く音、どう身を守れば… 」(2025年10月16日)

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