【10月号掲載】自己決定で幸福に 2万人の調査で判明

 社会システムイノベーションセンターの西村和雄特命教授(マクロ政策分析)が、所得や学歴よりも自己決定が幸福度に強い影響を与えるという研究を同志社大の八木匡教授(経済学)と共に発表した。
 研究では2月に楽天リサーチで、全国の20歳以上70歳未満の男女を対象に「生活環境と幸福感に関するインターネット調査」を実施した。中学から高校への進学、高校から大学への進学、初めての就職について、自分の意思で進学先や就職先を決めたかで自己決定度を評価。集まった約2万の回答から所得、学歴、自己決定、健康、人間関係の五つの要因が幸福度と相関するか分析した。
 幸福度との相関性を五つの要因で比較したところ、健康と人間関係に次ぎ自己決定が影響力をもつと判明した。自己決定によって進路を決めると、行動への動機づけが高まり、満足度も高まるので幸福度が上がると考えられるという。
 国連の2018年幸福度報告書によると、日本の主観的幸福度は世界の中で54位。幸福度に影響している要素は明確には分かっていない。本研究は幸福度に影響を及ぼす要因を明らかにすべく行われた。        

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