【1月号震災特集】5万点超の資料保存 附属図書館「震災文庫」

阪神・淡路大震災22年 社会科学系図書館管理棟3階に、阪神・淡路大震災に関する資料を保存する「震災文庫」がある。書籍をはじめ被災当時の写真やチラシなど、集めた資料は約5万5千点。震災を知るための重要な役割を担っている。

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 1995年の地震発生の3カ月後から資料の収集を開始。職員らが避難所などを駆け回って約千点を集め、同年10月30日に一般公開を始めた。阪急電鉄の地震直後の運行状況を示したポスターや、避難所で支給された食事の写真など、貴重な資料も多い。

 現在も職員は新聞やインターネットから情報を収集し、震災関連の資料探しを欠かさない。20年以上たった今も、年に千点以上が集まる。2012年からは東日本大震災の被災地にある図書館との情報交換会も実施している。

 1998年からは資料の電子化を始め、現在約5千点がウェブ上で閲覧できる。しかし、被災直後の混乱した状況で入手したため提供元が分からない資料が多く、貴重な資料でも電子化の承諾をなかなか得られない問題もあるという。

 文庫には毎年約300人が訪れ、その半数以上が学外から。地盤や災害を専門とする研究者や、年1回のホームカミングデイでは卒業生も来館する。

 昨年は熊本地震の被災地の図書館関係者が訪れた。熊本の状況も踏まえて、震災文庫の職員の間でも、資料収集のノウハウを残そうという意見が出ているという。

 当時の様子を克明に刻む生々しい資料の数々を前に、訪れる人は驚き、時に目を背ける。職員の花?佳代子さんは「できるだけ多くの資料を集め、訪れた人それぞれが何かを感じ取ってくれれば」と話す。

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