合格者発表の日。受験生として迎えた1年前とは違い、ことしは記者として現場にいた。自分の受験番号を見つけて喜ぶ受験生は、この場の「主人公」だ。早速サークルの勧誘につかまった姿を見て、この場で私は、脇役どころかエキストラでしかないと感じる。
ある部活を取材した時のこと。部員の中に、いつも授業で見かける女子学生がいた。取材をしなかったら、赤の他人のままだった。だが、取材を通して彼女が活躍する姿を目にする。普段とは全く違う顔つきで、格好良かった。彼女がまさに「主人公」として輝いていた瞬間を、「語り手」として伝えることができた。
記者をしていると、たくさんの「主人公」に出会う機会がある。さまざまな人の世界にお邪魔して、「主人公」になっている現場に立ち会える。貴重な体験だと常々感じている。
新入生にも「主人公」になる瞬間があってほしい。自分がここだと思える場所で「主人公」になれればいい。いつも輝いている必要はない。そんな人は一握りなのだから。
人生の夏休みとも言われる大学生活は、長いようで短い。何にでも挑戦できるが、何もしなければそのまま終わる。ぜひ、自分が「主人公」になれる場所を見つけてもらいたい。「語り手」にも興味を持ってくれたらうれしいけど。
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