学生が自身の学修状況について振り返り記録するシステム「学修の記録」の運用が、9月から学生向けポータルサイト「うりぼーネット」で始まる。アンケート形式で年2回、学期が変わるタイミングでの実施を予定している。対象は全学部生で、回答は事実上義務付けられる予定だ。
学修の記録には、学修時間と内容、学期の反省と次学期の目標などを記録する。学修時間の項目では、授業に関する学修と授業に直接関係のない学修で別々に記録するなど、自身の学修について総合的に振り返ることができるシステムになる。質問数は7問前後で10分程度で終わるものを予定し、各項目はクオーター別に回答する。
大学は学生全体の統計のみをデータとして活用するため、個々人の記録は監視せず、教員が個人の記録を特定して閲覧することはできない。
従来の授業振り返りアンケートとは違い、記録が完了するまでは、うりぼーネットで履修登録など他の操作ができなくなる。
導入のきっかけは、全国の大学に文部科学省から学生の学修時間が短いという指摘があり、教育の質的転換が求められたこと。学生の学修状況を総合的に把握することで、教育プログラムの改善を目指す。「授業振り返りアンケート」は今後も継続する。
学生に自身の学修を振り返る機会を与えることも目的の一つ。学生は過去の自身の記録をいつでも確認でき、大学全体の結果についても閲覧できるようになる可能性があるという。システム導入に携わる大学教育推進機構の近田政博教授は「学修の記録がツールとなり、学修がより豊かになって学生の意欲が高まることを期待する」と話す。
学生の負担が増えるが近田教授は「振り返ることは学生一人一人にとって大切な務めだ」と主張している。
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。