災害救援活動を行っている「被災地NGO恊働(きょうどう)センター」(本部=神戸市兵庫区)が21日、同市中央区のこうべまちづくり会館で開いた熊本地震救援活動報告会に、寺本わかばさん(経済・2年)が登壇した。寺本さんは4月から1年間休学し、最大震度7を観測した地元の熊本県西原村で復興支援に携わっている。報告会にはおよそ70人が来場し、報告に耳を傾けた。
恊働センターは地震直後から村のボランティアセンター(VC)と協力し、ボランティアの体制作りを行っている。寺本さんも4月の帰郷時に恊働センターの頼政良太代表(理・2012年中退)の誘いを受け、支援に入った。報告会で寺本さんは、村の住民と共に団体「わかばmeeting(ミーティング)」を立ち上げ、生活情報を載せたフリーペーパーを発行したり、炊き出しや無料の食器市を行って住民の交流の場を作ったりしていることを説明した。
村でイベントを開催するときは、住民も主体的に関われるような工夫をしている。カレーの炊き出しでは、住民も食料を持ち込んで調理に加わることもあった。参加者からは「(地震後)ずっと『ありがとう』と言い続けてきたが、逆に自分が言われる立場になったことがうれしかった」との反応があったという。寺本さんは「復興の過程が楽しくなるようなものになれば、住民の生きる糧になるのではないか」と話す。
VCに寄せられる支援の要望は減っているが「何に困りどう解決すればよいかが分からなければ声を上げることはできない。決して困っている人が減ったわけではない」と強調。住民からの聞き取りなどを通して必要な支援の掘り起こしが必要だという考えを示した。
この他、恊働センタースタッフによる活動紹介や、兵庫県立大防災教育研究センターの宮本匠講師による支援活動の現状の分析も行われた。宮本講師は、復興の過程では被災地外からの支援と、被災地の住民や自治体による努力のバランスの調整が求められるとし、「寺本さんは双方のコーディネートがとてもうまい」と評価した。
報告を聴いた神戸大のボランティアサークル「学生震災救援隊」のメンバーらは「多くの活動をしていてすごいと思った。行動に移すことの大切さを感じた」と話した。
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