◎最先端の免疫研究を解説 大倉山祭医療シンポ

 医学部医学科の学祭「大倉山祭」の一環として医療シンポジウムが23日、楠(医学部)キャンパスの神緑会館多目的ホールで開催された。地域の人々に医学に親しみをもってもらう目的。今年は「免疫ってすごい!」をテーマに学生発表や、医学研究科准教授2人の講演が行われた。会場に用意された座席が全て埋まるほど多くの人が訪れ、話に熱心に耳を傾けた。

 講演に先立ち学生発表者として佐藤郷介さん(医・2年)が登壇。様々な病気を引き起こしやすくなる免疫老化について、ヘルパーT細胞に着目して研究している。リンパ器官の一つ「胸腺」の機能は加齢と共に低下するが、人間には体内の状態を一定に保とうとするためT細胞の数は変化しない。その結果T細胞一つ一つの質が低下し、免疫老化が起きると考えている。免疫の仕組みや行った実験内容を図を用いて分かりやすく発表した。

 また講演では、山下智也准教授が新しい治療として、腸内細菌の力で動脈硬化が予防できるという説を提唱。森信暁雄准教授は最前線の免疫治療について説明した。

 神戸市兵庫区から来た60代の女性は「私たち(の体)を構成しているものに着目して病気を治そうとしているのがすごいと思った」と話した。

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