附属図書館は、新たに図書館に入れる本を神戸大生が選定する企画「学生選書ツアー」の店頭選書を23日、ジュンク堂書店三宮店(神戸市中央区)で開催した。参加した学生らは、かごを片手に書棚の前に立ってどの本を選ぶか考えていた。
選書の対象は、学部生が教養を養うために利用できる本だ。日本語で書かれていることなど、一定の条件を満たした本を選ぶ。一人当たりの予算は2万円で費用は附属図書館が負担する。選定した本は職員らの検討を経たうえで12月上旬から総合・国際文化学図書館で利用できる予定だ。店頭選書には午前の部に5人、午後の部に4人の学生が参加。午後の部にはニュースネット委員会の記者も加わった。
ツアーは2010年から毎年開催されている。図書館では常に学生からの希望図書を募っているが申し込みが少ない。「入れてほしい本があれば図書館に頼んでいいということを、ツアーをきっかけに知ってもらえれば」と総合・国際文化学図書館の田中志瑞子(しずこ)さんは話す。
午後2時、ツアーが始まった。記者はまず芸術書コーナーへ行き、以前から読みたかった『大瀧詠一Writing&Talking』を探す。日本語ロックの創始者の1人で1970年代から80年代にかけて活躍したミュージシャン大瀧詠一の著作集だ。税抜4500円と学生が購入するには高価で、選書ツアーは絶好の機会となった。他にも数冊かごに入れ、5階に設けられた選書本部に向かった。本部で図書館職員がデータベースを調べ、本が総合・国際文化学図書館に所蔵されていないことを確認する。
須藤理江さん(国際協力研究科・博士前期課程)は、週に約5冊は読む読書家だ。選書に際し、どんな本が学生に必要とされているのかを意識したという。録音技術の視点から名盤を分析する『スタジオの音が聞こえる』(高橋健太郎著)は「バンドサークルの学生が読みたくなる本では」と考え、選書に入れた。
2時間のツアーで選ばれた本は合わせて35冊。哲学書や、ノンフィクション、デザインの解説書と多種多様だ。時間いっぱいまで検討を重ねた須藤さんは「いろんな本が目に入り、選ぶ予定ではなかった本も選んだ。今後も参加してみたい」と満足そうだった。図書館では来年以降も選書ツアーを続けていく方針で、田中さんは「さまざまな企画を通して学生さんと一緒に大学を面白くしたい」と語った。
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