「インドの貧困は自分のせい?」 

海外インターン中に新時代のオンライン資金調達システム「クラウドファンディング」を活用して、インドへの支援を募った神戸大生がいる。インドから帰国したばかりの小久保愛海さん(国文・3年)に話を聞いた。

「考える前に体が動いてるんですよね」と笑う小久保さん。入学以来、7回の東北ボランティアをはじめ、インドへのバックパッカー旅行など国内外を問わず走り続けている。

小久保さんは今年3月からおよそ3カ月間、海外インターンという形でインドへ渡った。もともと「貧困」に関心があったが、日本で勉強していても「理屈ばかりで、本当の意味で分からなかった」。そこで、ディンディガルとナーマッカルという地域で女性と子どもの貧困問題に取り組むNGOに飛び込んでいった。

そこで見たのは厳しい現実。活動の一環としての聞き取り調査で厳しい現実を見た。一見元気そうでも、満足に食べらず、両親が他界していた子どももいた。その子らから「手をつかんで、涙目で『お願い、お願い』と訴えられた」と小久保さんは語る。

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ディンディガルとナーマッカルの貧困の原因の1つは、その産業構造にある。2つの地域は農業で生計を立てる人が半数ほど。しかし商品作物の栽培や皮革産業に大量の水を使用するため、その他の農業従事者が使用する水が不足し、貧困の遠因になっている。皮革産業で作られるのは日本でも有名なブランドの数々。「インドの貧困に自分たちが加担しているのではないか」。そう感じたからこそ今回のクラウドファンディングでの支援呼びかけにつながった。

7月4日現在、7万3000円の支援金が集まったが、目標の260万円には遠く及ばない。それでも別の助成金の申請なども同時に行っており、ディンディガルとナーマッカルを支援する動きを続ける。

インドへは「また行きたい」と話す小久保さん。「水の問題もあるし、活動の手伝いもしたい。それになにより、(現地の人に)会いに行きたいんです」。

小久保さんのクラウドファンディングプロジェクトはこちらから

=====解説======

【クラウドファンディング】

クラウドファンディングとは、Webを通して不特定多数の人が、特定の人や団体のプロジェクトに資金の提供や支援を行う仕組み。通常の募金とは違い、支援を要請した側の設定した金額に集まった金額が届かなければ出資はキャンセルとなる。一人でも支援を募ることが可能で、街頭募金のように地理的時間的制約を受けないことが特徴。今年2月、東京都知事選に出馬した家入一真氏がクラウドファンディングを活用して選挙資金を700万円以上集めたことで有名になった仕組みだ。

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