●『海賊と呼ばれた男』作者　特別講演会

　「海賊と呼ばれた男」の作者、百田尚樹氏による特別講演会「海賊と呼ばれた男：出光佐三翁が私達に問いかけること」が、名を冠した出光佐三記念六甲台講堂で行われた。百田氏は放送作家兼小説家。著書に「永遠の０」や「ボックス！」があり、「探偵！ナイトスクープ」の構成作家を務めている。今年に発売した「海賊と呼ばれた男」で神戸大出身の故出光佐三氏を取り上げた縁で講演に至った。

　講演で、百田氏は「探偵！ナイトスクープ」内での裏話などで会場から笑いを取ると話は出光佐三のことへ。「海賊と呼ばれた男」のモデルとなった日章丸事件について、それを知ることになった経緯。そして「海賊と呼ばれた男」の成り立ちについて語った。終了予定時刻をオーバーする熱のこもった講演が行われた。

　話を聞いた神戸大の卒業生は「自分の経験からしても共感するところが多かった」と話した。また４年生の学生は、すべてを鵜呑みにはできないとしつつも「こういう人たちがいるから今の自分たちがいるのだと感じた」と述べた。「読んだことはなかったけど『海賊と呼ばれた男』を読んでみようと思った」。

●記念式典ではネスレ社長が講演

　記念式展では学長挨拶、同窓会代表挨拶に続き、ネスレ日本株式会社代表取締役の高岡浩三氏 （昭和５８年経営学部卒）による講演が行われた。講演では、終身雇用で離職率が低く、年金を十分に保証するという日本的経営をいかにして維持しながらグローバル時代を戦うかということについて、ネスレの企業理念や取り組み、アイデアが紹介された。

　また講演後にはアカペラサークル「Ｇｈａｎｎａ Ｇｈａｎｎａ」の演奏が行われ、在学生の力強い歌声を講堂に響かせた。他にも図書館で不要となった本を販売するリユースセールには開始した１０時から多くの学生や地域の人々が訪れた。
リユースセールの様子（１０月２６日・百年記念館前で　撮影＝井沼睦）