災害救助ロボットで競う 第13回レスキューロボットコンテスト

 出場チームは、大地震で倒壊した市街地を模した6分の1スケールのフィールドで、被災者を模したレスキューダミー(愛称ダミヤン)を救い出すというストーリー設定の中、自作のロボットを使ってレスキュー活動を行う。

 ダミヤンにはセンサが内蔵され、乱暴に扱われたり、救助に時間がかかったりするとフィジカルポイントが減っていくようになっている。救助作業の迅速さ、ダミヤンのフィジカルポイントが評価対象になる。それらに加え、レスコンでは、「実際の災害現場が想定されているか」が重視される。

 神戸市からは2チームが本選に出場した。神戸大チーム「六甲おろし」は、本選1試合目で姿を消したが、消防庁のホームページなどから、実際の救助作業では何が求められているかを研究したそうだ。神戸予選を2位で突破した高校生チーム、神戸市立科学技術高校の「なだよりあいをこめて」は、ワンタッチでカメラやタイヤなどのパーツが付け替え可能なロボットを披露し、好評価を受けた。

 限られた救助時間のロスをいとわず、実際の災害現場を想像することがレスコンにおいては求められる。今回レスキュー工学大賞を受賞した金沢工業大「MS-R」は、救助者の状態を速やかに認知し、大型モニタで情報を発信することで、安否情報を家族や知人に知らせるシステムを導入した。また竸基弘賞を受賞した愛知工業大の「長湫ボーダーズ」は、ダミヤン搬送の前にロボットが治療の優先順位を判断する機能が評価された。

 会場は観客でにぎわい、最もステージに近いところでは、子供たちが食い入るように多種多様なロボットの活躍を見つめていた。がれきをものともせずに乗り越えるロボット、飛行型ロボット、ダミヤンを優しく鮮やかに回収するロボット……。将来の災害救助を担うアイデアの原石がフィールドを駆け抜けた。

 コンテストの最後には、レスコンがきっかけで実際にレスキューロボットの開発に関わった研究者、明石工業高等専門学校の岩野優樹氏が講演した。昨年は、第8回竸基弘賞技術業績賞を受賞。学生時代にレスコンに6度参加し、実行委員会も担当したこともある。岩野氏は当時を振り返り、「いいかげんな気持ちでは出られないコンテストだと思った」と語り、「コンテストでよい点を取るためではなく、自分たちのレスキューに対する気持ちを形にしてほしい」と学生たちに伝えた。「僕は信じています、本物のレスキューロボットが将来みなさんのアイデアから生まれることを」。

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