演劇研究会はちの巣座の冬公演「ピラカタ・ノート」(脚本・ごまのはえ、演出・ピア忠)がSTAGE+PLUS(大阪市阿倍野区)で15、16日の2日間にわたり上演された。神戸大の劇場であるステージ300が工事のために使えないというトラブルを抱えていた本公演。はちの巣座はそんなピンチにも負けず大阪で全4回の舞台を創り上げた。挫けず健闘した劇団員には暖かい拍手が送られ、16日の千秋楽公演は幕を閉じた。【12月19日 神戸大NEWSNET=UNN】
「11月には工事が終わると聞いていたんですがね」と苦笑いしたのは演出と出演の両方をこなしたピア忠こと岩見崇広さん(文・2年)。劇場を借りるには2か月前くらいまでに予約を済ませなければならず、急に伝えられた工事の延長への対処に追われたと話した。どこを探しても空いておらず、困り果てた末に見つけたのが神戸大から離れたSTAGE+PLUS。大きな会場ではなく最大40人しか収容できない公演ではあったが、役者に手が届きそうなほど舞台と客席が近く、かえって演技の迫力が増すという思わぬ利点もあった。
「ピラカタ・ノート」は架空の街「ピラカタ」の団地で展開される人間ドラマ。「灯りの数だけ物語がある」という構想のもと、現実とファンタジーが混在する大小様々なストーリーをよりあわせてひとつの舞台へとまとめあげた。いくつかの話がパラレルに進行するこの舞台では視点、時間軸がたびたび移り変わる。それによって生まれる独特で濃厚な空気に会場は包み込まれていた。
当日の舞台を振り返って「役者と演出の両方を経験できたことで、お客さんの生の反応が掴めた」と満足そうに岩見さんは振り返る。丁寧に練習したところは観客の食いつきも良く、また緊張感あるシーンに仕上げたところには客席にもその緊張が伝わるなど、手ごたえを十分に感じたと話し「上出来でしたね」と笑顔を見せた。
友人が出演していたという大阪工業大の学生は「難しいところはあったが小説を読むかのように楽しめた」とはちの巣座の高い完成度を称えた。
はちの巣座は次回公演として28期生卒業公演「太陽 THE SUN」(脚本・前川知大、演出・山野の)が26日から28日までの3日間、尼崎ピッコロシアターでの上演を予定している。
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