美術部凌美会が、11日から16日にかけ、ギャラリー花六甲(神戸市灘区)で新人展を開催した。毎回の展覧会では大テーマに沿った作品を出すことが多いが、今回はテーマを全く設けず、10人の新人による思い思いの作品がギャラリーに結集した。【12月18日 神戸大NEWSNET=UNN】
1年生の自由な発想を生かすためにと、大テーマが設けられなかった今回の新人展。その思惑通り、3部作の水彩画から繊細なボールペン画まで、計19作品が会場を飾った。
「花はカラスウリ。カエルは知らない。」と副題を付けた村田祐磨さん(工・1年)の「蛙と花」は、その名の通り、カエルとカラスウリをシンプルに描いた作品。「実は入学後すぐに完成していて、この展覧会でようやく出展したもの」と、部内でも珍しい経緯で出品された秘蔵の1枚。「ある本にカラスウリが登場して、気になって調べているうちに描きたくなった」と、村田さんは制作の裏側を話した。
一方、三橋元子さん(発達・1年)は六甲祭でも出展した「眩暈(めまい)」に加え、新たにアクリル画の「遮断」を発表した。「人は見える色を、都合のいいようにフィルタリングして、本当の色は見ていない」。授業中に聞いた一言から、人物画に三橋さんの好きな動物や花の絵を薄く重ね「フィルタリング」の様相を表現した。「私は肌色を作るのが苦手。その肌色に、見せすぎず、いい透け具合のフィルタを作るのが大変だった」と三橋さん。「テーマなし」が生み出した自由度の高さを、存分に生かしたことがうかがえた。
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