コラム伏流水 海事科学部ならではの

私は、8月22日から9月21日に船舶実習に参加した。【11月19日 神戸大NEWS NET=UNN】

船舶実習とは、免許の教習のようなものである。教習所で車に乗るのと同じように、船上で実習を行う。船乗りの免許、海技士免許の教習である。

ただ、スケールも期間も車とは比にならない。私が乗った練習船「大成丸」は航海訓練所が所有する、100メートル以上の蒸気タービン船だ。実際に海技士免許を取得するためには、更に11カ月の船舶実習が必要である。

蒸気タービン船は、船の中心部である機関室が異常に暑い。ここで長袖と長ズボン、ヘルメット姿で、長時間作業を行うのは非常に辛かった。

実習は大変である。その反面、座学では得られない実務能力を身につけることができるので、得られるものも大きい。私は自分の人間性の成長を身をもって実感した。そして、日本産業の基盤を支えるこの職業は、充実感を持っできる職だと胸を張って言える。

貿易大国、日本。私たちの知らない間にも、船乗りや、意外に知られていない職を持つ人々がその基幹を支えているだろう。就職に悩んだら、この様な職について一考してはいかがだろうか。

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