12月14日、六甲台キャンパスのアカデミア館404号室は熱気に包まれていた。学生らは株式会社ピグマ代表取締役・太田智文氏の熱弁に聞き入った。太田氏は困難にぶつかったとき「日本一それができるようになるには」と考えたら、という思考法などを紹介。学生側も積極的に発言した。【1月21日　神戸大NEWS NET＝ＵＮＮ】

起業家精神育成ゼミナールの講義だ。昨年6月から毎週水曜日に最前線で活躍するベンチャー起業家を招いて、「起業家精神」を養う目的で行われている。

株式会社エイブルワーク代表取締役社長である佐藤栄哲氏を中心に神戸大卒のベンチャー起業家たちが「神戸大は国立大で経営学部が初めにできた。もっと起業家が出てほしい」と構想。大学側に呼びかけ、経営学部の金井壽宏ゼミの協力のもと発足した。実際にゼミ生となる学生は一般から公募した。

同ゼミでは起業家のすすめで自分たちでもビジネスを行った。11月の六甲祭で模擬店やキャンパスツアーなどを行い、合計約150万円を売り上げた。最も売り上げに貢献したのは高校生対象のキャンパスツアー。高校生147人を集め約75万円を売り上げた。

ポイントは香川の高校生を対象にしたこと。香川は地理的に神戸まで来にくく神戸大生と接する機会に乏しい。ここに付加価値が発生すると考えた。さらに香川から神戸間の往復のバス代は5000円だが、このキャンパスツアーではバスと食事、ツアーすべて含んで同じ値段。バスをチャーターすることで1人あたりのバス代を抑えた。

ツアー終了後に高校生に書いてもらった決意表明では「夢を見つけた」などの言葉がならび、ツアーは大成功を収めた。　企画が動き出したのは10月。ギリギリの期間だったが、「動きながら考えるという起業家から学んだ精神が生きた」とゼミ代表の田中優祐さん（経営・2年）は話す。

一般学生の聴講生も受け入れており起業家を志していない学生も歓迎しており、ゼミは来年度も行われる予定。