自由劇場の卒業公演「Re:Alice」が、3日から6日にかけて出光佐三記念六甲台講堂で行われた。千秋楽となった6日には、多くの観客が来場。4年生の引退に、舞台が終わると思わず涙ぐむ部員もいた。カーテンコールの終了後も、引退を惜しむかのように会場からの拍手が鳴り止むことはなかった。【3月17日=神戸大NEWS NET】
「緑の草原に、思い出という名の緑の少女が君を待っているだろう。ゲームスタート」。突然ある青年の下に送られてきた1通のメール。何のことかわからない内に、そのまま青年は不思議の世界に迷いこんでしまう。不思議の世界で出会った案内人達は、皆メールの指示に従えと言うばかり。訝しみながらも、青年は案内人とともに緑の少女を探すゲームを始める。従うがままにゲームが繰り広げられる中、青年は、徐々に不思議の世界の住人達が抱える悩みや不安に気付いていく。?
4年生にとっては、4年間の最後を飾るこの公演。演出と劇中案内人役を務めた宇治橋幸希さん(発達・4年)は、4年間の演劇生活を「嬉しさと寂しさの繰り返し」と称す。多くの情熱を燃やし、人の心に伝わる舞台ができたときの喜びと、1回の公演が終わるとまた0からスタートする寂しさ。しかしその心の揺れは、演劇でしか味わえない「気持ちよさ」となって、今では忘れたくない思い出になっているという。?
一方、今回の舞台において、影の立役者は美術だと宇治橋さんは言う。劇中に出てくる舞台のセットや道具は、基本的に部員による手作り。舞台中央に配置された木の大扉などの大がかりなセットは、美術に「とことん無理なお願いをした」という。その分、文句なしの舞台が出来上がった。宇治橋さんは、「言うことなし。(無理をしてでも)やってよかった」と顔を綻ばせた。?
自由劇場は、4月にも新入生歓迎公演を企画している。今回の舞台で役者を務めた大崎こころさん(発達・1年)は、昨年の新入生歓迎公演で演劇の迫力に衝撃を受け、入部を決めた。次の公演は、「自分が新入生に感化させるような劇にしたい」とやる気満々だ。(記者=松永さとみ)?
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。