演劇研究会「はちの巣座」の一部メンバーによる団体「ロイヤルゼリー組」の公演「法王庁の避妊法」(作:飯島早苗・鈴木裕美、演出:クサカンムリ)が、国文キャンパスのシアター300で、6日の14時と18時から行われた。大正時代、産婦人科医の荻野久作が、ローマ法王庁公認の避妊法「オギノ式」を生み出す過程を描いた。はちの巣座が1月から行っている「企画公演3連発」の3本目。【3月11日 神戸大NEWS NET=UNN】?
「このカレンダーに月経日と媾合(性交)の日を記録していただきたい」。大正時代、新潟の田舎で産婦人科を営んでいた荻野久作は、妻に無理を言ってまで、当時学界最大の謎とされた「女性の排卵日」を突き止めようとしていた。子だからに恵まれすぎた患者、恵まれない患者、フェミニストの看護婦らに囲まれ、命とは何か、女性のためとは何かと自問する日々。荻野は葛藤しながらも、避妊法「オギノ式」につながるある大発見に至る。?
劇中、荻野の妻が「子は天から授かるもの。人が決めていいことじゃない」と、荻野の研究に戸惑う場面がある。ハナ役の中辻英恵さん(文・3年)によると、同戯曲の魅力は「今では当たり前の避妊だが、出てきた当時はどう受け止められたのか」という点にある。「法王庁の避妊法」が昔から好きだった中辻さん。 同公演のために結成されたロイヤルゼリー組のメンバーも、名作とされる戯曲「法王庁の避妊法」がもともと好きだった人が多い。?
荻野役の萩野宏喜さん(経済・4年)は、「5、6回の練習で、たくさん台詞を覚えなければならなかった」と苦労を語る。また自由劇場の卒業公演と時期が重なって、借りられる機材が足りずに大変だったという。しかし、会場を訪れていた男性は「学生の劇なのに、研究者の心の葛藤をうまく描いて面白かった」と、感心した様子で話していた。
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