現在、神戸大の各キャンパスで改修工事がおこなわれている。新しいキャンパスは気持ちよいが、古くても味のあるキャンパスが好き、という人もいるのではないだろうか。それぞれの改修工事について、興味深いもの、学生に影響を与えるものについて調査した。【5月26日 神戸大NEWS NET=UNN】
発達科学部のキャンパスでは、平成21年5月の時点でA棟、B棟の耐震工事が完了した。改修された建物内は、壁や床に白、ピンク色を取り入れるなどして明るく新鮮な雰囲気になった。
さらにB棟東側の壁には縦約9メートル、横15メートル以上の巨大なタイルモザイク壁画が描かれた。作品を製作したのは発達科学部人間表現学科の岸本吉弘准教授。?
改修以前、B棟東側は無機質な壁に、時計が付いているだけだった。岸本准教授は、「大きな壁に何か『アート』はできないか、という話をもらい、着想しました」と話す。着想を始めたのは昨年の10月からで、何種類ものスケッチを重ねた。実際に作品を製作する際、使われたタイルは30種色で、数は5万枚。タイル一枚一枚の貼り位置はコンピュータで操作、指示した。「気の遠くなるような」作業を続け、作品は約半年で完成した。?
製作されたタイルモザイク画の題名は「ROBIN(FOR DOER)」。「ROBIN」とはヨーロッパのコマドリを表す。コマドリには古くから献身的、利他的な伝承が数多くあり、その恩恵によって自らを美しく彩っているという。また、作品の茶色は大地、青色は天空を表し、重層的な構図は知の蓄積を示唆する。「ROBINの如き若き実践者に、この作品を送りたい。ここで生まれ出る英知が実践として永遠に拡がらんことを切に願っています」と准教授は作品に思いを込めた。?
なお、現在発達科学部A棟6階で、作品のアイデアスケッチなどを紹介した展覧会を開催している。開催日時は平日午前11時~午後6時、6月末まで。?
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