阪神・淡路大震災で被災し犠牲となった競基弘さん(神戸大大学院自然科学研究科博士前期課程・1年)の遺族と友人らが1月16日、居酒屋「現吉」で集まり、思い出話に花を咲かせた。【1月16日 神戸大NEWS NET=UNN】
「現吉」は基弘さんがアルバイトをしていた居酒屋。思い出の店で、基弘さんの遺族やユースサイクリング部の仲間、アルバイトの同僚らが毎年1月16日に酒を酌み交わす。久々の再会に話は弾み、部屋の中は終始和やかな雰囲気だった。基弘さんの父・和巳さんはこの集まりで、自分の知らない神戸での基弘さんの様子を、基弘さんの友人らに教えてもらってきた。「パズルを1つ1つ埋めてもらっているような感じ」と話す。
思い出話がひと段落すると、基弘さんの友人がドラえもんのぬいぐるみを取り出した。瓦礫の中から見つかったものだ。和巳さんは、ぬいぐるみを顔に近づけ「瓦礫のにおいが強いけれど、(基弘の)服のにおいもする」と懐かしげに話した。
和巳さんにとっては1月17日はひとつの区切りの日。「毎年、1月17日に向かって気分が落ち込んでいくので、1月1日にはテンションが上がらない。17日を過ぎるとだんだん上がっていく。17日は正月のようなもの」と和巳さん。競さん一家にとっての1年は、明日始まる。
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