フォルサ、大学日本一 その要因と意義を探る

先日の全日本大学フットサル大会2008で初優勝し、大学ナンバーワンの座に輝いたフォルサ。その要因と、その意義を検証する。【8月26日 神戸大NEWS NET=UNN】

○フォルサが大学ナンバーワンになれた要因

 フォルサが全勝で優勝できた理由。それは大きく分けて3つある。ハイプレス、守備、勢いだ。

 フォルサの守備ラインは、試合を重ねるごとに上がっていった。「好きにやらせて、相手を調子に乗せたくなかった」とB小仲(発達・4年)。個々のテクニックだけで勝負すると、フォルサは分が悪い。だから、前線や中盤でプレッシャーをかけて、相手の持ち味を消すことが大事だった。特に準決勝の流経大サッカー部戦で、その効果が表れていた。

 次に挙げられるのが、堅守だ。事実上の決勝戦となったグループリーグ最終戦の順大戦。P赤本(経済・4年)の虎の子の1点を守りきり、グループ1位通過を決めた。小仲とB田代(経営・4年)の守備ブロックは磐石。高い身体能力と読みが光った。B中島の対人能力の高さは、準決勝で力を発揮。相手のパワープレーを凌げたのは中島の高さと強さによるものが大きい。

 一番大きな要因として考えられるのが、チームの勢いだ。ここぞという場面で、エースの赤本やA東中主将(発達・3年)がゴールを奪い、チームは勢いづいた。スタッフは夜を徹してスカウティングを行い、マネージャーは裏方に徹したサポート。応援団の後押しも大きかった。チーム一丸となって、同じ方向を見て、支え合えたからこその栄冠だ。

○フォルサが大学ナンバーワンになる意義

Photo 「ベスト4のうち2チームがサッカー部ってのはねぇ」と赤本が苦言を呈した。それほどまでに、フットサル部が、サッカー部に苦戦する大会だった。

 小技や連携、組織で勝負するフットサル部だが、サッカー部の個の強さ、シュート力や運動量に苦しんだ。特に、Dグループの同志社。華麗なパスワークで相手を翻弄するも、グループリーグ最終戦では福山大サッカー部の泥臭さに屈した。

 「所詮フットサルなんて、サッカー部の落ちこぼれがやってるスポーツ。そう思われているのがとても悔しかった」と小仲。フォルサも昨年度は準決勝で流経大サッカー部に敗北した。短期間フットサルの練習をしただけで、サッカー部がフットサル部に勝ててしまう。それが大学フットサルのレベルの低さを表している。「このままじゃ、ダメ。フットサル部の強さを見せてやる」。フォルサは、そんな思いを胸に大会に挑んだ。

 「フットサル部はフットサルならサッカー部にボロ勝ちしないと」と小仲は語る。だからこそ、決勝で福山大サッカー部に12-2で圧勝できたことを、「日本フットサル界に貢献できた」と評価した。

 この全日本大学フットサル大会も、主催は日本サッカー協会だった。いつまでもフットサルはサッカーの傘下で良いのか?『サッカーを始めるキッカケとしてのフットサル』。『フットサルはエンジョイレベルで良い』。「僕はそういうのはイヤだ」。小仲が熱い口調で語っていた。

 「相手、サッカー部でしょ?僕らは絶対勝たないといけない。フットサル界のためにも」とは、ファイナルを前にしての東中主将の弁だ。フットサル部が、サッカー部を破っての完全優勝。この事実が、大学フットサルの進歩を物語っていた。

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