家族の協力、形に 大日岳遭難事故裁判

2000年に起こった大日岳遭難事故の控訴審。溝上国秀さん(当時・神戸大2年)の遺族ら原告側の勝利和解成立で長い長い裁判が終わり、半年が経過した。【2月7日 神戸大NEWS NET=UNN】

 裁判が終わるまで、国秀さんの家族は戦い続けた。関係者らの協力、署名の力、全てが戦うエネルギーになった。しかしそれ以上に必要だったのが、自分たち家族の協力であった。
 国秀さんの父・不二男さん、母・洋子さん、そして二人の姉・愛子さんと涼子さん。国を相手取る厳しい裁判を戦いきる。支援を求めどこへでも行った。署名を求め、頭を下げた。遠い裁判所も行き続けた。家族内での協力が無ければ、到底できるものではなかった。
 勝利報告会で涼子さんは当時の複雑な心境を話した。「裁判は傷の上塗りになるのではないか」。それでも裁判を通し、その不安は消えていった。「人のために動いてくれる人がこんなにいたんだ」。家族とともに支援者へ感謝を伝えた。
 そしてもう一人共に戦う家族がいた。国秀さん自身だ。「国秀自身も、親より先に死んでしまったことを申し訳なく思っているはずだし、裁判中の苦しみも理解してくれている」(洋子さん)。戦う家族のそばにはいつも国秀さんがいた。
 「家族が壊れず、最後まで戦えてよかった」。不二男さんは最後に付け加えた。事故からもう8年を迎える。

*取材は昨年に行ったものです。?

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