「北米Week2007」の国際学生討論会が11月13日、六甲ホールで開催された。テーマは「持続可能な開発のための私たちの役割」。日本とアメリカ、カナダの8大学から1人ずつがパネリストとして参加し、スピーチとディスカッションが行われた。【11月14日 神戸大NEWS NET=UNN】?
前半は各パネリストによるスピーチが行われた。マンディー・ワンさん(ワシントン大)は外国青年招致事業であるJETプログラムに参加した経験などを交え、市民ができる国際貢献について発表。異文化理解や環境問題の解決は一人ひとりが時間をかけて草の根レベルから始めるべきでは、と問いかけた。
山本貴志さん(工・4年)は「クリーン開発と機構に関するアジア太平洋パートナーシップ(APP)」についてスピーチ。APPとは平成18年に設立された、各産業間の国を超えた連携によりエネルギー効率の向上やそのための技術移転に向けた具体的な取り組みを進めるもの。「京都議定書を補完する枠組みとして十分意味のあるもの」と話す一方、「経済効果と環境効果が具体的な数値で示されていない」など課題を示した。
スピーチを終えて山本さんは「APPとマンディーさんの(発表していた)市民の活動は『できることから』(という考え方)で一致している。それをリンクさせることはできないのか」と話した。
後半にはパネルディスカッションが行われた。事前に聴衆から集めた質問にパネリストが答えたり、逆に会場に対し意見を投げかける場面も見られた。
レジ袋をもらうべきか、という身近な議題からAPPに賛成か、アメリカの環境に対する取り組みはパフォーマンスか、などという世界規模の議題まで通訳なしの国際討論。各パネリストが国を代表し、積極的に意見を発した。
討論に参加したパネリストの一人、松本健一さん(関学)は、「時間が限られた中で難しい面もあったが、ニュースで聞くような内容ではなくカナダやアメリカに住む方の生の声が聞けてよかった」と討論会の成果を話した。
一方で山本さんは「(温暖化の影響で沈没の危機にさらされる)ツバルの国民など、被害者はこういう場に来れない。この場に自動車で来た人もそれは罪じゃない。けれど矛盾を感じる」とも。議論を通して課題意識も高まるパネルディスカッションとなった。
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